会いたい人は...３ (ページ38)

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一応、彼女達と話が出来たことでホッとしている。

これで彼女達の怒りが治まるかどうかはわからないけど、原因と理由はわかった。

それでもまだ怒りが抑えられないというなら、甘んじて受けようと思う。

クォンさんの助けで自分の処分は軽くなった。

でも、本当は、もっと責任を問われて然るべき事なのかもしれない。

沢山の人を巻き込んで...皆に迷惑かけた。

きちんとけじめをつけなければいけないと感じていた。

自宅待機になってから、辞める事を考えていた。

一度はクォンさんの優しさに報いるため、考え直したけど...

でも、大切な職場だったからこそ、
復帰してからも迷惑をかけ続けた自分の事が許せなかった。

自分を許す為にも必要な事だと思う。

一週間前に書いた退職願、
捨てることが出来ず、バッグの中にずっと持ち歩いていた。

ロッカールームに戻り、それを手にして、
客室課に戻った。

午後の仕事が始まる前に課長に退職願を提出した。

突然の申し出に驚いていたが、

課長「よく考えたのかい？」

A「はい」

課長「理由を聞かせてくれ」

A「自分なりにけじめをつけたいと思いました。」

課長「それについては、処分がでたはずだが？」

A「お客様のお陰で、処分が軽くなったというお話でした。有り難い事ですが、自分自身が納得できていないんです。」

課長「君の気持ちを考えると無下に突き返す事もできないから、一応預かるが...、Aさんは、客室課になくてはならない人だと思ってる。もう一度考えてみてほしい。」

"課長預かり"という形で、受け取ってもらった。