14Y-K ページ14
朝、少し怠いとは思ってたけど...
今体温を計ったら39度近くあった。
病院に行こうというカイトさんに、少し眠れば大丈夫と断った
実際、熱があるとわかると、余計に辛くなってくるのは何故だろう。
大丈夫だという強がりも言えなくなり、
大人しくベッドに横になった。
カイトさんが、買い物してくると家を出ていった
ベッドに横になりながら、ベッド脇の腕時計に手を伸ばした。
ケイの腕時計
辛い時は、いつもこうやってケイの腕時計を握りしめる。
何度も何度もこうやって辛い時を乗り越えてきたから
腕時計を握りしめていると、気持ちが落ち着いてきて、いつのまにか眠っていた...
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ｶｲﾄ「ただいま......寝てる(微笑)」
ベッドに腰掛けAの頭を撫でた
眠っているAが手の中に何かを握りしめていた
...腕時計...
胸が締め付けられそうだ...
この腕時計が誰のものだったのか、
嫌になるほどわかっている
俺がケイさんの母親から、Aに渡してほしいと託された物だから
俺は、ずっとこの腕時計に嫉妬してきた。
Aが辛い時に、真っ先に手にするもの...
それは、俺じゃなく、この腕時計だったから
ケイさん、俺は、いつになったらケイさんに嫉妬しなくてよくなるんだ？
ケイさんは、ずるいよ。
いつまでも、Aの中に居続ける。
ケイさん、最後の最後までカッコよすぎなんだよ
俺は、いつだってケイさんの背中ばっかり見てる
一度も勝たせてくれないまま、居なくなるなんて...
勝ち逃げなんてズルいじゃん。
もう、何度もやめたいって思ったんだ。
俺の事を見ない女を追いかけるのは...
でも、又、何度でも好きになっちまう
どんなに傍にいても、
一緒に過ごしても、
俺に一線を引いているA
それがわかってしまうから、
俺の気持ちが悟られないように接してきた。
わかってしまったら、
俺の傍から離れていってしまうに違いないから
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作者名：yui | 作成日時：2017年11月9日 17時
