13Y ページ13
帰り道、今回の事を考えていた。
SNSをやらない私には、今どういう状況になってるかは、わからない。
朝の様子を考えると、私だけが知らなかったように思う。
昨日の出来事が、次の日の朝には、周知の事実となってしまう事に驚きと怖さを感じた。
どうなってるのか知りたいけど、
怖くて調べる勇気が出ない。
ホテルのスタッフ達でさえ、良い感情ではなかったとわかる。
ロッカーに嫌がらせをしようと思うほど、嫌な気持ちににさせてしまったのだから。
クォンさんのファンにとっては、不愉快以外の何ものでもないだろう。
好意が敵意に変わったときの怖さは、誰よりもわかっている
私だけでなく、クォンさんに矛先が向いてしまったらと思うと、恐ろしい。
クォンさんには、迷惑はかけられない。
もう、関わってはいけないと思う。
これからどんな事が起きるのか、不安でしかたない。
だけど、私に出来る事なんて何もないとわかっている。
今は、自宅待機の状態。
静かに過ごす以外になさそう。
カイトさんは、もう、知っているだろうか...
あの動画を見たら、どう思うのかな
何も思わないとまでは、思わないけど...
出来れば、知らないままでいてほしい
マンションのエントランスに見覚えのある後ろ姿があった
知らないでいてほしいという私の願いは、
早くも叶わなかったらしい
振り返った表情に"心配"が滲みでていた。
私を見つけるなり、駆け寄ってきた
ｶｲﾄ「A大丈夫か？」
A「うん」
ｶｲﾄ「真由美ちゃんから自宅待機だって聞いた」
この期に及んで、カイトさんから真由美さんの名前が出ると、辛い気持ちになる自分が嫌だ
A「そうなの。処分が決まるまで...何か、真由美さんも巻き込んじゃってゴメン」
ｶｲﾄ「何で俺に謝んの？(苦笑)」
A「...(苦笑)」
ｶｲﾄ「...何か、顔赤いけど...熱でもあんのか？」
額に手を置いた
ｶｲﾄ「これ、熱あるだろ！」
A「ちょっと怠いけど、大丈夫(苦笑)」
ｶｲﾄ「Aの大丈夫は、大丈夫じゃないから(苦笑)」
ｶｲﾄ「早く家入るぞ」
いつも、カイトさんは、私の事がわかってしまう。
だったら、私のこの気持ちもわかっているのだろうか...
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作者名：yui | 作成日時：2017年11月9日 17時
