YOU11 ページ28
「先崎チーフいますか?‼」
勢いよく駆け込んできた私に、技術課の人達は一斉に振り向いた。
「お願いします❗プレジデンシャルスイートの絨毯のシミとり方法と手順、注意する事を1分で教えて下さい‼」
先崎さんは、私の剣幕にびっくりしていたが、すぐに察してくれて、簡潔に教えてくれた。
事務の女の子が機転をきかせて、メモをとって渡してくれたのには、感激した。
器具一式も貸してもらい、部屋へと急いだ。
へやに戻ると、お客様は真由美さんの提案でお昼を食べるため部屋を空けていた。
私は、早速教えられた通りに作業を始めた。
時間のたったワインのシミは、範囲も広く、毛足の長さもあり、簡単にはいかなかったが、確実に薄くなっていた。一時間以上ブラシとタオルを使って叩く事を繰り返していると、手の感覚がおかしくなってきた(泣)
何度も佐伯君や他のスタッフが代わるよと言ってくれた。
だけど、もし絨毯を傷めてしまっていたら、手伝ってくれた人の責任にさせたくなかったので、気遣いは嬉しかったけど、大丈夫だと断っていた。
それでも、しばらくすると、
佐伯「Aさん、代わって下さい。一人で抱えこまなくて大丈夫です。チームでやってる事忘れてませんか?俺にやらせて下さい」
佐伯君の言葉に、はっとした...
A「ごめんなさい。ありがとう...」
真由美さんが、立ち上がろうとする私に手をかしてくれて
真由美「皆、心配してましたよ。皆で頑張りましょ」
励ましてくれた。
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作者名:yui | 作成日時:2017年10月22日 22時