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本当はまだまだ寝れたのにこの男のせいですっかり目が覚めてしまったので仕方がないから話しを聞くくらいはしてやろう。
「学級委員長委員会は今日は活動がないんですね」
鉢屋「いいや?絶賛委員会中だ」
「はい??」
鉢屋「昨日まで五年生は外部演習だったんだんで、いろいろ仕事が溜まっているんだよ」
「温厚な尾浜先輩がお怒りになる前に戻られては…?」
そういえば確かに伊作先輩と乱太郎と薬草を取りに行った日の午前中、全く五年生を見かけなかったっけ。一週間近く学園を空けていたのなら五年生ともなればやることがたくさんあるはずだ。本気で早く戻った方がいいんじゃ…
鉢屋「お前が心配だったんだ」
「は、はぁ…」
鉢屋「学園に戻ってきてずっと授業を受けていないと聞いていても立ってもいられなくてな…どんな無様な姿か気になって」
「ぁ〜〜〜〜」
もういいや、この人は尾浜先輩にでも不破先輩にでも焼かれるなり煮られるなり、散々な思いをすればいいんだ。
鉢屋「実際は無様、というよりかは無用心といった感じだっだがな」
徐に伸びてきた先輩の手によって正される私の部屋着の襟元。
うわ、びっくりした部屋が暖かいのに鳥肌がたった
「……気分が悪いので触らないでください」
鉢屋「あのなあ、男だらけの長屋でこんなに服をはだけさせるやつがあるか」
「先輩が勝手に入ってくるからでしょう?他の人だったら断りを入れてくれるから私だって身なりくらいちゃんとします」
鉢屋「だとしても油断しすぎだ」
何を言ってもこの人にはきかないので、嫌悪の気持ちを込めて睨みつければバツが悪そうな表情でこんなことを呟いた。
鉢屋「…これをやる」
「はい?虫ですか?ゴミですか?」
鉢屋「そんなガキじゃないわ!」
「どうだか……なんです?これ」
私の様子を伺うようにして、先輩は手のひらに一つの包みを置いて見せてきた。…なんだこれ?爆発するのか?触ったら呪われるのか?
鉢屋「苺大福」
「え…!……うーん」
鉢屋「素直に喜べ!…お前、好きだろ」
「そ、それはそうなんですけど……妙だな、いつもだったらそろそろ爆発してもおかしくないのに…」
鉢屋「菓子が!爆発するわけないだろ!」
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八重(プロフ) - ゆずこしょうさん» ありがとうございます〜!ご期待に応えられるように頑張ります! (3月21日 22時) (レス) id: 6efa099dc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずこしょう(プロフ) - こんな作品待ってました!これからも頑張って下さい! (3月21日 13時) (レス) @page32 id: e261693cf6 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - リンちゃんなう!さん» 嬉しいコメントありがとうございます!ぜひこれからもよろしくお願いします! (3月20日 22時) (レス) id: 6efa099dc1 (このIDを非表示/違反報告)
リンちゃんなう! - 夢主ちゃんの性格が好みです!楽しくて一気読みしました!続き楽しみにしてます^^ (3月20日 17時) (レス) @page22 id: 99c0a2ef87 (このIDを非表示/違反報告)
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