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「Aちゃんってなんか、小動物みたい」
「ん？」
「ほら、食べてる時とか何かに怖がってる時とかがさ。ちょこまかしてるし小さいし」
「ん…それってバカにしてる？」
「いや別に全然」
その言い方バカにしてるな〜…とか思う。
でもさ、としゅんくんが言う。
「それがさ、すごい可愛いんだけどね」
「んなっ！？！？」
口になにも含んで無かったのが幸いだった。含んでたら恐らく喉に詰まらせていただろう。
「絶対バカにしてる……え？」
しゅんくんの顔を見ると、口を抑えて顔は背けられていて、耳まで真っ赤にしていた。
照れてる…？しゅんくんが……？
私はここで一気にスイッチが入ってしまった。
「え、しゅんくん？wなんで照れてるの？w耳真っ赤だよ？wどーしたの？？？w」
「ちょ、何も言わないで……」
「なんでなんでー？w自爆したの？wなんでなの？w」
"からかいのスイッチ"が入ってしまった。
しゅんくんが照れているのはとても珍しい。ここまで真っ赤になってるのを見たのって、朝それで白熱電球と書いた時以来でほんとに珍しい。
「しゅんくんどうしたのー？wねーw」
「ほんとやめて……」
「らしくないよ？wどしたの？wね、」
ﾄﾞｻｯ
「ちょっとからかい過ぎ、どうなっても知らんよ？」
「え…あ……」
一瞬押されたような感覚がして、何が起こったかわからなかった。気づいた時には押し倒されていて真上にしゅんくんの顔があって、まだほんのり赤くて、表情は全く笑ってない。
こんなことになるとは思ってなくて、混乱から何も返すことができなかった。
「……なんてさ、する訳ないじゃん。ほら、起きて」
「あ……うん……」
手を引っ張ってもらい身体を起こす。しゅんくんの顔には笑顔が戻っていた。
「からかい過ぎは良くないよ。俺怒っても知らないからね？」
「ごめんなさい……」
「ほーら、そんな暗い顔しないで。おいで」
両手を広げたしゅんくんの中に入り抱きしめてもらう。さっきの怖さで少し躊躇いはあるけど、体温の温かさでそんな思いはなくなった。
「ん、じゃあ作業戻ろっか。早く終わらせてゆっくりしよう」
「うん」
………
ちなみにこのやり取りは全てカメラに映っていた。福良さんに動画ファイルを提出した時に少し叱られたのはまぁ言うまでもない、かな。
「Aさんって、須貝さんと付き合ってるんだね」
「え、そうですけど…？知らなかったんですか？」
ここで初めてオフィスに知れ渡った…
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作者名：やどかりさん | 作成日時：2020年11月8日 15時
