やぶまいの小説へようこそ！ (ページ4)

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＃４ページ4

(薮くんだ…絶対薮くんだ…)

(本人か確認すべき？でも、勇気ないし…)

頭の中は目の前の男性が薮くんだという事しか

考えられなくて、頭の中で自分の言葉が

四方八方に飛びまわる。

(やっぱり確認したほうが…)

薮？「………の………あの！」

まい「は、はい！」

男性の声に驚いて我に返った。

薮？「大丈夫ですか？フリーズしてたけど」

まい「え、あ、大丈夫…です。すみません」

(フリーズしてたなんて恥ずかしい…)

薮？「ごめんね。早く帰りたいよね」

申し訳なさそうに視線を下げるその姿に

母性本能がくすぐられる。

だって子犬みたいなんだもん…。

まい「……ち、違います！」

初めて聞く私の大きな声に驚いて顔を上げる男性。

まい「あ、えと…あの、は、働くの好きなの

で…き、気にしないでください…」

自然と顔が熱くなるのがわかる。

薮？「やっぱり君って面白いね笑」

その声に反応して視線を男性の方に向けた。

薮？「働くのが好きって笑まだ高校生でしょ？笑」

まい「あ、はい///」

またあのふにゃっとした笑顔。

薮？「あ、注文いいですか？」

まい「は、はい！」

微かに震える手で

注文をとるハンディを手に取った。

薮？「でも、まだ決めてないんだよねー笑」

なんて言いながらメニューを開く男性。

薮？「んーどーしよ」

メニューを開きながら悩んでいる姿にも

見とれてしまう。

薮？「君のオススメは？」

まい「っ！」

見とれていたためこちらを見た男性と

目線がばったりと合った。

まい「オ、オススメ…ですか？」

薮？「うんっ。オススメ教えて」

まい「オススメは…」

私が初めて食べて1番好きになった

まかないのオムライスを指差した。

薮？「オムライス？」

まい「はいっ」

薮？「じゃあ、これで！」

まい「え、」

薮？「ん？…オムライスお願いします！」

(私が初めて食べて1番好きになったオムライスを

薮くんも食べてくれるんだ)

嬉しくて胸がときめいた。