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松尾サイド

という事で、ビルの上で仲間の一人と待っている事、数分。

松尾「(遅いなぁ…)」

人間の姿のままで待っているけど、バナさんを探している仲間が帰ってこない。

あー、水に入ると人魚になるんだけど、陸から出る時は人間になる仕組みになってるみたい。

俺の場合は、飛ぶ時にも人魚になるんだけどね(目立つような気もするんだけど…(ーー;))。

明かりがついている数々のビルを眺めていると、バナさんを探しに行っていた仲間が慌てた様子で戻ってきた。

「大変だΣ( ゚Д゚)!!」

松尾「どうしたんですか!?」

「20階建てのビルに火災が!出火が起こったのは、17階辺りだ!」

「それで、今の状況はどうなってるの!?」

「消防隊が来て、火を消しに行ってる!だけど、人が取り残されているみたいで間に合わないんだ!」

松尾「あの!俺、助けに行きます!」

「族長!それは危険だわ!まだ、あなたは覚醒したばかりなのに…!」

松尾「だけど!もし、バナさんとご家族が巻き込んでいたら…(T^T)」

泣きそうになりながら訴えると、2人は困った顔をして見合わせた。

やがて、仲間の男性がズボンのポケットから白鳥の形をしたブローチを出すと、俺に渡した。

「これはシーニュ一族の証であるブローチ。これがあれば、人間と人魚の姿になれる。すぐに人魚になって、火災のビルまで行けるぞ」

松尾「ありがとうございます!行きましょう!」

2人は頷くと白鳥になり、俺もブローチの力で人魚になると、

白い翼を羽ばたかせて、火災のビルへと向かった。

これが族長としての、最初の仕事だ…!

「あそこよ!」

20階建てのビルに炎が燃えて、黒い煙がモクモクと出ているのを発見する。

消防隊の人達は、消防車の梯子を使って上がろうとしているけど、これじゃあ間に合わない!

「族長、指示をしてくれ!」

松尾「俺がですかΣ( ゚Д゚)!?」

「そうよ!さぁ、私達に指示して!」

「僕らの一族は、水を放つ事ができるんだ!」

水を放つ事ができる…そうか!

松尾「俺が取り残されている人がいるかどうか見てくるので、2人は炎を消してください!」

「「了解!」」

俺は「お願いします!」と、火を消すのを2人に任せて、

ビルの中に入ると、店内を見回した。

けほっ、けほっ…黒い煙がどんどん充満してきてる…!

この中に人は…。

松尾「っ!?バナさんっ!!」

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時

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