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松尾サイド
「大丈夫かい?」
「辛そうだったり､疲れたら言って｡急いで行く事ないから」
松尾「あっ､はい!」
俺はというと､背中に生えている白い翼を羽ばたかせながら空を飛んでいた｡
人間から戻った白鳥達は後ろを振り向いて声を掛けて､
飛び方のアドバイスをしてくれていた｡
白鳥の特性があるシーニュ一族は､飛ぶことができるんだって｡
初めてだから上手く飛べないけど､今は何とか保っている(^_^;)｡
松尾「あっ!あそこ､俺が住んでいた街です(^-^)!」
白鳥町を飛び立ってから数十分後､俺が過ごした街が見えてきた｡
空からの景色も綺麗だなぁ…(*^^*)｡
松尾「(あの森って､児童養護施設があって｡バナさんと出会った場所だ｡あそこに向かっているという事は…)」
「もうちょっとで着くわよ」
「あぁ､頑張れ(^-^)!」
松尾「は､はい!」
と､慣れない動きで翼を羽ばたかせながら飛んで向かっていた時だった｡
松尾「えっ…あれはΣ( ﾟДﾟ)!?」
下を見下げた瞬間､1台の車に家族が乗り込む姿を見掛けた｡
男女2人に女の子1人に男子1人…顔がよく見える｡
松尾「バナさん!結ちゃん!おじさんにおばさん!」
矢花家が乗った車は､走り出していった｡
「どうしたの?」
「もしかして､あなたの友達?」
松尾「はい!バナさん達､どこに行くのかな?追いかけなきゃ!」
「あっ､待って!」
白鳥達に呼び止められるけど､バナさんと話したくて､車の後を追っていった｡
「私､彼の後を追っていくわ!」
「僕も行くよ!2人はあそこに行って､長老にこの事を伝えてくれ!」
松尾「(バナさん…どこに行ったんだろ)」
矢花家の車の後を追って､人並みの多そうな街に来ちゃった…｡
空から探しても､見つからないよね｡
「族長!ここにいたのね!」
そこへ､2羽の白鳥が俺を追い掛けてきた｡
松尾「族長…あっ､俺の事ですね(^_^;)」
「あぁ｡そんなに友達に会いたい?」
松尾「友達というより､俺の大切な人…かな…//」
もう会えないと思っていた｡人魚である俺とは関係ないと言った｡
それなのに､バナさんに会いたくなる｡俺が人魚だとしても､
バナさんとはずっと仲良しでいたい｡
人間であるバナさんの事が大好き｡
「それよりも､見失ってしまったわね…」
「暗いし､僕が彼と家族の車を探してくるよ｡君は彼女とビルの上で待っていて｡見つかったら､すぐに知らせるよ」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年10月17日 22時
