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松尾サイド
とりあえず､落ち着いて白鳥達の話を聞く事にした｡
松尾「つまり､その一族の人魚は滅多にいなくて､俺が数少ない1人という訳…?」
「そうよ｡100年ぶりかしら(^-^)」
ひゃ､100年(;ﾟдﾟ)!?
そんな昔から､シーニュ一族っていたの!?
「まぁ､ほとんど白鳥ばかりだけどね｡だけど､僕らは人間に変身する事も出来るんだ」
松尾「うわっ!?」
すると､白鳥達は人間に姿を変えた｡
もう…訳が分かんないよ…(´・_・`)｡
「シーニュ一族の人魚はね､族長になるっていう掟があるのよ」
松尾「族長?」
「そう｡僕ら一族を纏める族長だ」
俺は人間に変身した白鳥達をマジマジと見つめた｡
ここにいる皆は､俺の仲間｡
そして､俺は族長になるという事を決められたって事でしょ…?
松尾「…って事は」
「どうしたの?」
「何かあったのか?」
白鳥達が次々と心配そうに聞いてきた｡
えっと､これは言うべきなのか言わないべきなのか…?
「あなた､ずっと人間の住む町で暮らしていたんでしょ?」
松尾「は､はい｡俺が族長になるという事は､バナさんや彼の家族､血の繋がらないお兄ちゃん達とはもう会えなくなるんですね…(´・Д・｀)?」
「バナさんって子は､君の友達?(・・?)」
俺は頷くと､今までの事を打ち明けた｡
松尾「皆さんにとっては､人間は悪い生き物だと思っているかもしれません｡だけど､人間は良い人間だっているんです｡バナさん､バナさんの家族､バナさんの友達､児童養護施設のイノッチ先生…皆､俺の掛け替えのない大切な人達なんです｡特に､バナさんは」
「彼に会いたい?」
一人が聞くと､「無理かもしれないけど､出来れば」と頷いた｡
「この湖も良いけれど､この町は荒れ果ている感じで気分が悪い｡どこか移動しようと､僕らは思っている」
「だから､あなたが住んでいた街に引っ越したいと思うの｡どう?」
松尾「それは良いですけど…」
「どこに住んでいたんだい?もしかしたら､僕らの仲間がいるかもしれない」
俺はかつて住んでいた街の名前を教えると､白鳥達は「なるほど」と頷いた｡
「その街なら､仲間がちょうど様子を見に行った所ね｡グッドタイミングだわ(^-^)」
「うん｡あそこなら､住み処に来て荒らしてくる事もないかもな」
その住み処というのが､街の森の中にあるトンネルを抜けた所にある湖だった｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年10月17日 22時
