検索窓
今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:1,454 hit

10-13 ページ31

松尾サイド

お母さんのお葬式から数日後。

俺はお兄ちゃん達に書き置きを残して、松尾家を出ていった。

家を出て白鳥町を彷徨ながら歩いていると、たまに行っているあの場所に来てしまっていた。

松尾「今日は白鳥はいないのかな…」

実家に帰ってから白鳥を見に、町の中にある湖に行くようになったんだ。

昔はお兄ちゃん達や学校のクラスメイト達に苛められ、

近所の人々にもキツく当たられ、児童養護施設の子供達にも当たられたり、

職員の皆さんに知らんぷりされて…。

だけど、こんな醜い俺を救ってくれたのがバナさんだった。

それなのに、バナさんを傷つけることになるなんて(´・д・`)。

心まで醜いのか…。

松尾「(酷い目に合うよりも殺された方がマシかもしれない…。いや、ここで死んだ方が)」

湖に自分の姿を映して、しばらく見つめていたら目から涙が出てくる…。

バナさんは俺を醜くなんかないって言ってくれたのに…。

あぁ…俺はやっぱり、みにくいダンサーの子だ…。

松尾「(ごめんね、バナさん…大好きだったよ。さようなら)」

ゆっくりと歩いていき、冷たい湖に入っていって、

どんどん中へと沈んでいく。

松尾「(…あれ?)」

水中にいるのに、何故か苦しくない。

どうしてだろう…?そう思った時。

松尾「(へっΣ( ゚Д゚)!?)」

右肩が急に光りだして、眩しい程に飲み込まれて…意識を失ったんだ。


松尾「…ん」

目を覚ますと、見えたのは白い雲が流れる青空。

寒かったのに、何だか暖かいし…。

ゆっくりと起き上がって、近くの湖に姿を映すと…。

松尾「(えっ…( ; ゚Д゚)?)」

映っていたのは黒髪…ではなく、金髪で上半身が裸で…。

松尾「(足が尾びれになってる…!)」

人間の足ではなく、真っ白な尾びれ。

ちょっと待って…?どーゆー事Σ( ゚Д゚)!?

戸惑っていると、湖で泳いでいた白鳥達が一斉に近づいてきた。

松尾「(あぁ…白鳥にまでバカにされるのか…(>_<))」

と思って、目を瞑った時。

松尾「えっ…?」

白鳥達が俺の所に来ると、優しく口ばしで撫でてくれた…。そして、

「初めまして、可愛い新人さん(^-^)」

松尾「うわぁ!?白鳥が喋ったぁΣ( ゚Д゚)!!」

「そりゃそうだよ。君はシーニュ一族の人魚なんだから(^^)」

松尾「シー…シー…(・_・;)?」

「シーニュ一族。白鳥の特性を持つ人魚よ」

「あなた、私達よりも可愛くて綺麗だわ(^-^)」

口々に言う白鳥達に、着いていけない…(ーー;)。

10-14→←10-12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。