10-12 ページ30
松尾サイド
松尾「あの時は、ごめんなさいm(_ _)m!」
お母さんの通夜の日、本当のお母さんじゃない事を知ってショックを受け、
既にその事を知っていたバナさんに大嫌いって、怒りをぶつけてしまった。
どうして、俺に話してくれなかったんだろうとイライラしていたけど、
お兄ちゃん達から「母さんは、いずれ話そうと思っていた。兄ちゃん達もだ」って言われて、何とか理解はしたんだ。
でも、お兄ちゃん達も俺の本当の兄弟じゃない。
お兄ちゃん達は「血は繋がってないけど、兄ちゃん達の家族だ」って言ってくれた。
嬉しかったけど…やっぱり、俺は迷惑だと思い、書き置きを残して家を出ていった。
『今までありがとう。さようなら。龍』って。
それから、俺は…。
矢花「龍…顔、あげてよ!俺…俺もいけなかったんだ!何で、早く伝えなかったんだって。だけど、龍がショックを受けるかもしれないって…」
松尾「ううん。俺も何となく、そうなんだろうなと薄々、感じていたよ。俺が家を出た後の話、聞いてくれる…?」
矢花「…うん、聞いてあげる。龍が例え、人間じゃなくても受け入れるから」
松尾「ありがとう…バナさん」
?「申し遅れました。私、シーニュ一族の長老、シュヴァンと申します。龍様を支えてくださり、仲良くしてくださった事を感謝いたしますm(_ _)m」
矢花「シーニュ一族?シュヴァン…さん?」
松尾「あー…お屋敷で話そっか(^_^;)」
いっぺんに言っても着いていけないよね…(^_^;)。
シュヴァン「改めて、バナさん殿。この度は、龍様がお世話になりました。貴方は人間ですが、この方の恩人。いつでも歓迎しますよ」
矢花「はぁ…(って、バナさん殿って。呼び方、おかしいだろ(ーー;))」
「先程は失礼致しました。カフェオレをどうぞ」
仲間の女性が温かいカフェオレを持ってきて、バナさんの前に置いた。
このお屋敷は俺達、シーニュ一族の家なんだ。
矢花「ところで、シーニュ一族って何なの?龍が人間じゃない事は、何となく分かってきた気が…(ーー;)」
松尾「あー、ごめんごめん。今から話すから。その前に、これを見て」
俺はボタンを少しだけ外すと、右の肩を出して見せてあげた。
矢花「それは痣?鳥…いや、白鳥?(・・?)」
シュヴァン「確かに痣に見えますが、これは刻印なのです」
矢花「刻印?」
松尾「バナさん、俺は人間じゃないの。人魚…なんだ」
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時