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矢花サイド
矢花「俺の事はいいから…早く…逃げて…!」
矢花の母「黎!」
矢花「どうにかするから…行けって!!」
矢花の父「…仕方ない。お母さん、結。行くぞ!」
結「お兄ちゃん(T^T)!」
レストランを出て逃げていく両親と結を見送り、俺は倒れこむ。
矢花「けほっ…けほっ…(>_<)!」
煙が充満してきて、ズボンからハンカチを出して口を押さえる。
く、苦しい…!
どうにか、脱出できないか…。
矢花「(あそこの窓が割れてる。シャンデリアに近いし、衝撃で割れたのかな。だけど…)」
ここは17階。流石に飛び降りるのは危険すぎる。
火がここまで来て出入り口は塞がれたし、とりあえず割れた窓の方へ逃げよう!
空から助けが来ることを信じて。でも…。
矢花「もう、無…理…」
火が迫られ、煙も充満してきて苦しくて、その場で倒れてしまう。
夢と同じだ…もう、家族に会えないまま、俺は死ぬんだ…(´・д・`)。
親父…母さん…結…今まで、ありがとう…。
矢花「龍…」
もう一度、君に…会いた…かった…な…。
その頃…。
Noサイド
結&矢花の両親「はぁ、はぁ…」
結と両親は何とかビルから出てきて、避難する事ができた。
上を見上げると、17階辺りに炎がボオボオと燃えている。
ビルの外には数台の消防車が来ており、
「消火開始〜!!」という消防士の声が響いている。
結「お兄ちゃん…無事に避難したのかな」
矢花の母「お兄ちゃんは、そんな事でくよくよしないわよ」
矢花の父「あぁ、きっと今頃…」
ドカン!!
結&矢花の両親「えっ( ; ゚Д゚)!?」
17階辺りで爆発音がして、さっきよりも大きく燃え上がっていた。
結「お兄ちゃぁぁぁん。゚(゚´Д`゚)゚。!!」
矢花の父「そんな…何で黎だけが…(T^T)!」
矢花の母「黎…黎…(T^T)!」
17階のレストランには矢花だけが取り残されており、
避難したと信じていた3人は爆発した所を見て、泣き崩れてしまった。
消防隊は17階の火災に向かって消そうと尽力している。
それから、約1時間後に火は消されてビルの中にいた人達は全員、避難して怪我人もいなかったのだが…。
隊員1「17階のレストランに取り残された男子高生ですが、どこにも姿が見当たりません!」
隊長「何だって!?」
矢花の両親「(姿がない!?そんな…!)」
隊員の報告に絶句する矢花の両親と結。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時