マルチプレイヤーとプリンシパルの条件 Part2 (ページ23)

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矢花サイド

音楽会が始まって､30分が経った｡

ここで､楽団のトークが始まり､家族やお客さん達は興味深そうに聞いている｡

矢花「(あの楽団､テレビでも紹介される程の有名なんだよなぁ…)」

音楽を生かす仕事なら､楽団に入るのもいいかもしれない｡

あっ､楽団にベースはないか｡っていうか､ベースはバンドだ(^_^;)｡

矢花「(…音楽を生かす仕事｡年明けの進路調査の時､先生にぶつけちゃったけど､あれで良かったのかな)」

実は年明けの1月､学校が始まってすぐに進路調査が始まったんだ｡

再び､先生との一対一の面談となり､その後の進路をどうするかというもの｡

面談の前､川﨑くん達が「先生に言ってやりなよ｡ダメだったら､俺達がガツンと言ってやるから!」と励まされた｡

いや､それはありがたいけど先生に何と思われるか…(^_^;)｡

とはいえ､進路調査の面談の日｡先生から考え直してくれたかと聞かれ､

俺は首を横に振って､音楽を生かす仕事は諦められないと告げると､

先生は現実を見るように言われ､全く理解してくれない先生に､

とうとう俺は堪忍袋の緒が切れたのだ｡

矢花『俺は大好きな事を仕事でやっていきたいんです!俺は大好きな音楽を生かすという夢がある!それを周囲の人々に伝えていきたい!なのに､先生は俺の夢を完全否定するって言うんですか(｀ヘ´)!?』

先生『そ､それは…( ; ﾟДﾟ)｡とりあえず､落ち着いて座…』

矢花『俺だけじゃない!俺と同じ､大好きな事を仕事に生かしたいクラスメイトだっているんですよ!?それは一生､叶わないと思っているんですか!?確かに中には叶えられないかもしれないけど､信じていれば叶う事だってあるんです!』

先生『矢花､分かったから…』

矢花『そう言っても､先生は分かっちゃくれないでしょう!?反対されても､俺は夢を叶える為に諦めませんから!彼(松尾)が…夢を信じる大切さを教えてくれたから…ひっく(T_T)』

散々､怒りまくって疲れてしまい､最後は泣き崩れてしまった｡

先生『はぁ…(ーー;)｡もういい､面談は終わりだ』

先生はため息をつくと､呆れてしまったのか強制的に面談は終了された｡

俺は『失礼しました』も言わずにトボトボと生徒指導室を出ると､

盗み聞きしていた川﨑くん達が待っていて､『よく言った(^-^)!』と褒められたんだ｡

でも数日後､母さんが学校に呼び出されて､

進路調査の面談の出来事を聞いて､『いくら何でも言い過ぎ』と叱られたのだった｡