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矢花サイド
放課後、掃除当番も音楽塾も無いので、このまま家に帰る事にした。
矢花「もう、すっかり秋だな…」
外は涼しくなっていて、木々はオレンジ色に染められ、
地面に落ちている紅葉はまるでオレンジ色の絨毯。
紅葉でできた絨毯の上を歩きながら家に向かっていると、ピコン♪とスマホのLINEが入った。
あっ、母さんからだ。
矢花「(龍を見掛けた!?その情報は本当Σ( ゚Д゚)!?)」
とりあえず、母さんに「OK」とLINEして家へと走っていった。
その夜、夕飯を食べながら母さんから話を聞くことにした。
矢花の母「お仕事の昼休みに、井ノ原さんから電話があったの。龍くんを見掛けたって」
結「お母さん、龍くんはどこにいるの?(・・?)」
結が焼き魚を一口食べてから聞いた。
矢花の母「都内にある小さな町だったかしら。港町を出て少し先の駅から電車で行けるみたいだけど…」
矢花の父「彼を見掛けた人は誰なんだ?」
矢花の母「龍くんが暮らしていた児童養護施設の職員さんだったわ。小さな町の駅にいた所を見掛けたんですって。昨日の午後辺りだったかな…」
龍を見掛けた職員さんが井ノ原さんに連絡した、という事か…。
すると、ピンポーン♪とチャイムが鳴ったので「俺が出る」と、ディスプレイを確認していった。
矢花「井ノ原さんだ!」
結&矢花の両親「ええっΣ( ゚Д゚)!?」
龍の事だと確信し、すぐに玄関の扉を開けた。
井ノ原「こんばんは、矢花くん。ご家族の皆さんも」
休職中という事もあり、児童養護施設の服装ではなく私服姿の井ノ原さん。
井ノ原さんは「お邪魔します」と上がり、俺らはリビングへと案内する。
井ノ原「あっ、お食事中でしたか(^_^;)。突然、来てしまって申し訳ございませんm(_ _)m」
矢花の母「いいえ。ところで、どうなさったんですか?」
井ノ原「奥さんには連絡でお伝えしましたが、ご主人や息子さんとお嬢さんにはまだお伝えしていなかったので」
矢花の父「それは、龍くんの事でしょうか?」
井ノ原「えぇ。うちの施設の職員から連絡がありまして昨日の午後、都内の小さな町でお見掛けしたとの事です」
矢花の父「実は先程、その話を妻から聞きまして…」
井ノ原「あっ、そうでしたか。それは…」
矢花の父「いや、改めてお伝えいただき、ありがとうございます」
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時