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矢花サイド

松尾「突然、いなくなってしまって申し訳ありません…。皆さんにはご迷惑を掛けたくなくて(´・Д・`)」

矢花の母「何を言ってるの。あなたは私達の家族でもあるのよ」

矢花の父「いつでもおいで。待ってるから」

松尾「ありがとうございます…」

勤「龍、ここにいたのか」

龍の一番上のお兄さん、勤さんがやって来た。

松尾「うん。勤兄ちゃん、バナさんのご家族だよ。(結と矢花の両親に)紹介しますね。僕の一番上の兄です」

勤「どうも。弟がお世話になったそうで…」

矢花の両親「いえ…」

両親と勤さんは挨拶すると、そのまま話し始めてしまった。

10分ぐらいは掛かりそうだな…トイレにでも行ってこようかな。

行「あっ、いたいた」

充「勤兄ちゃんもいるじゃん」

矢花「行さん、充さんも。お久しぶりですm(_ _)m」

行「あぁ、黎くん。久しぶり」

充「来てくれてありがとう」

矢花「いえ…」

勤「行に充。今、黎くんのご家族と話していたんだ」

行さんと充さんも両親や勤さんの会話に入り、さらに10分も掛かりそうだ(^_^;)。

矢花「あの、俺ちょっとお手洗いに…」

矢花の父「あぁ、分かった」

矢花の母「行ってらっしゃい」

龍「…」



斎場のトイレに行って済ませ、外に出ると龍が待っていた。

松尾「久しぶりだし、戻りながら話さない?」

矢花「そうだね」

お互いの家族の元へと向かいながら、近況などを話す俺ら。

そういえば、まだ龍に話していなかったな。

実は捨て子で、本当のお母さんではないことを。

彼はその事を知らずに、ニコニコと話している。

松尾「でね、お兄ちゃん達が…どうしたの?(・・?)」

真顔になって見つめると、龍は首を傾けてキョトンとする。

言いたくないけど…本当の事を言わなきゃ。

何て思われるか知らないけど…。

矢花「あのさ…」

おばさん1「松尾さん、女手1つで息子さん達を育てたんですって。相当、苦労したわよねぇ」

おばさん2「ご主人、亡くされても健気に振る舞っていたけど、辛かったと思うわ」

突然、女性同士の会話で掻き消されてしまい、言い損なってしまった。

あの2人、松尾さんのお母さんの知り合いなのかな?

松尾「お母さんと一緒に働いていた、スーパーのパートの人達だよ。あまり話した事、ないけどね」

龍が女性2人を見ながら小声で言った。

おばさん1「だけど、その内の1人は拾った子って噂で聞いたけど」

おばさん2「確か、末っ子じゃなかった?」

えっ、マズイ…( ; ゚Д゚)!

10-3→←最終話(第10話) 俺の夢は君の夢



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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年10月17日 22時

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