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松尾サイド

井ノ原「さぁ、龍。施設に帰ろう。皆さんにご挨拶して(^^)」

松尾「…」

重たいお米を持っていくのに苦戦している女性を見て助けてあげようと、

家まで持っていってあげて着いたのは、この前出会った彼の家だった。

まさか、ここで会えるなんて…//。

と思ったら、児童養護施設の職員の1人、イノッチ先生こと井ノ原快彦先生が来ていた。

何で、こんな所に…?

松尾「(また、いつものように連れ戻しに来たんだ。帰ったら、施設の同い年や年上の子供達にいじめられたり、嫌味を言われたり、からかわれてしまう…(>_<)!)」

思い出して目を瞑ってしまい、首を横に振った。

井ノ原「どうして?他の先生達や子供達、心配してるよ?」

松尾「俺は…帰りません」

井ノ原「そうはいかないんだ。じゃないと…」

松尾「イノッチ先生も、俺の気持ちが分からないんですね!他の先生達と同じように知らんぷりしてるんだっ(>_<)!」

井ノ原「龍、落ち着こう!話、聞いてあげ…」

松尾「っ!」

井ノ原「龍!」

イノッチ先生が言い終える前に、リビングを飛び出した。

矢花「あっ、待って!(リビングを出て、松尾を追い掛ける)」



矢花サイド

井ノ原さんが施設に帰ろうと言った途端、嫌がってリビングを出ていった彼。

思わず追い掛けて、見失わないように彼が向かったのは、洗面所だった。

松尾「…ひっく(T_T)」

恐る恐る覗くと、彼は洗面器に手をついて泣いていた。

施設に帰りたくないのは、きっと理由がある。聞いてあげなきゃ。

矢花「あの…」

松尾「ぐすん…(T_T)」

振り返った彼は、目に涙を浮かべて見つめていた。

矢花「龍…だっけ。何で、施設に帰りたくないの?(・・?)」

松尾「えっと…矢花くん、だよね。俺の話、聞いてくれる…?」

俺は頷くと、龍は「ありがと…」と涙を拭いた。

松尾「俺ね、都内の小さな町で、お母さんと3人のお兄ちゃんと暮らしていたんだ。だけど、お兄ちゃん達は俺をいじめて、近所の人達からもキツく当たられて…(´・Д・`)」

矢花「…それで?」

松尾「俺がいない方がいいかもしれないと思って、自分から家を出ようと思ったの。でも、それを知ったお母さんから『高校までは卒業して』って言われて」

矢花「学校でもいじめられていたの?」

俺が聞くと、龍は小さく頷いた。

松尾「その事をお母さん、先生に相談した事でいじめは無くなったし、小学校は無事に卒業したんだ」

矢花「良かった…」

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時

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