第2話 みにくいダンサーの子 ページ6
矢花サイド
井ノ原「いや〜、ごめんね?君の家にお邪魔する事になってしまって(^_^;)」
矢花「いえ…」
家に向かって遠回りの道から森に入って歩いていた時、
街の児童養護施設の職員だという井ノ原さんと出会った。
この前、ここを通った時にたまたま出会った事を話し、
彼はどんな人物か知りたいと言うと、
井ノ原さんは外だとまずいからと、俺の家に連れていってほしいとお願いされた。
矢花「あの、何か飲みます?」
井ノ原「いやいや、お構い無く(^^)」
矢花「そーゆー訳にはいかないですよ。とりあえず、お茶を淹れますね」
と、温かいお茶を淹れて井ノ原さんの前に置いた。
井ノ原さんは「いただきます」とお茶を一口飲み、
俺は座って、早速聞くことにした。
矢花「あの、井ノ原さんが探している彼って、踊りが好きな少年ですか?手足も長かったし」
井ノ原「うん。あの子は特に、問題児でね…(^_^;)」
井ノ原さんによると、この前出会った彼はよく児童養護施設を飛び出しているらしい。
井ノ原さんをはじめ、他の職員達も頭を悩ませていて、
「勘弁してほしい」と探すのを躊躇う職員も多いようだ。
ただ、井ノ原さんだけは彼の事を気にかけているみたいで…。
井ノ原「何て言うのかなぁ。施設の子供達や職員達に馴染めないみたいなんだよね。俺もどうやら、そうみたいで(^_^;)」
矢花「だけど、彼のことを心配してるんでしょう?」
井ノ原「うん。あの子が問題児だからか、他の職員は知らん顔なんだ(^_^;)」
酷い職員達だ(-_-;)。
矢花「彼はいつから施設に?」
井ノ原「あー…2ヶ月前の7月下旬辺りかな。ちょうど、ローレライが倒産した日の数日後ぐらい」
ローレライって、この街から離れている、
かなり都会の街にあった、大企業の会社だったっけ…。
矢花「彼のご家族は?」
井ノ原「それが学生証も無かったし、身分も家族も分からないようなんだ。天涯孤独なのかもしれないね(^_^;)」
矢花「そんな…(´・_・`)」
井ノ原さんの話を聞いて、可哀想になってきた。
ずっと施設で暮らしても、彼にとっては施設は牢獄なのかもしれない。
井ノ原「俺もどうにかしたいけど、施設長と相談しないといけないし。気難しい人だからさ(^_^;)」
矢花の母「ただいま〜」
結「ただいま〜!」
そんな時、母さんと結が仕事、学校から帰ってきた。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時