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矢花サイド
結「お兄ちゃん!」
矢花「結!井ノ原さんは?」
結「リビングで待っているよ」
矢花「そっか､分かった」
大急ぎで家に帰ると､先に学校から帰ってきた結がいた｡
結が家に帰ると､既に井ノ原さんが来ていたらしい｡
大事な話があると結に言ったそうで､家の中で待っていたそうだ｡
矢花「井ノ原さん」
井ノ原「あぁ､矢花くん｡日を改めて来るって言ったけど､急に今日に来てすまない(^_^;)」
リビングに顔を覗くと､寛いでいた井ノ原さんが手を合わせて謝った｡
矢花「いえ､大事な話ですよね｡両親はまだ帰ってきていませんけど､僕から伝えましょうか?」
井ノ原「それは助かるよ｡じゃあ､大事な話をするから座って」
俺と結は頷くと､ソファーに座って井ノ原さんの方を向いた｡
井ノ原「矢花くん､結ちゃん｡龍と仲良くしてくれて､ありがとう｡君達とご両親のお陰で､あの子は笑ったりするようになったんだ(^-^)」
矢花「はぁ…」
井ノ原「児童養護施設にいるよりも､外の方が環境が良いと俺はもちろん､施設長は確信したんだ｡このまま､ここで暮らせばいいと思ってはいるけど…」
矢花「あの､それって…」
恐る恐る聞くと､井ノ原さんは「実は…」と口を開いて話し始めた｡
その夜､夕飯を食べ終えて俺は結と一緒に､
井ノ原さんの大事な話を両親に話す事にした｡
龍は何かやる事があるらしく俺の部屋に行ったらしいけど､彼には後で話す事にしよう｡
矢花「つまり龍は近々､バレエ専門の学校にスカウトされたんだ｡この前､その学校の先生が来て彼を引き取りたいって」
矢花の父「それは凄いな｡龍くんのバレエは上手いもんな(^-^)」
矢花の母「手足も長くて､綺麗だものね(^-^)」
結「でも､龍くんは何て思うかな?」
矢花「それは分からないけど…龍が決める事だし｡だけど､彼がいなくなるのは寂しいな(´・Д・｀)」
結､親父と母さんも頷く｡
矢花の母「龍くんがバレエダンサーになったら､発表会とか見に行こうかしら?」
矢花の父「それはいいな!」
結「楽しみだよね〜」
矢花「(施設に戻らない事には良かったけど､龍には矢花家を離れてほしくない…)」
後から話すつもりだったのに､龍が聞いていた事を俺らは知らなかった｡
松尾サイド
バナさんにプレゼントをあげようとリビングに行こうとしたら､話が聞こえてきた｡
耳をすませると､イノッチ先生が話していた大事な話だった｡
そーゆー事だったなんて…｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月15日 11時
