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矢花サイド

矢花「実は彼、近々、施設に戻るかもしれないんだ(´・д・`)」

和田「はっ?マジ?」

俺が頷くと、和田くんは「そうかぁ…」と箒の手を止めた。

和田「皇輝や浮所から聞いたけど。アイツさ、お前にめっちゃ懐いてるらしいじゃん。よっぽど、矢花の事が大好きなんだろうな」

矢花「そうかもね…」

和田「なぁ、矢花。もしアイツがいなくなっても、くよくよするなよ。離れたって、どこかで繋がってるんだから」

俺と龍は繋がっている…?そういうもんなのかな…。

和田「にしてもさ。平凡で地味な矢花が人に好かれるなんて、今までいなかったのに」

矢花「平凡とか地味は余計なんですけど…(ーー;)」

まぁ、あってるんだけどさ。俺、存在感は薄いし。

和田「お前と同じく音楽好きだからじゃないの?気が合えた仲間ができて良かったじゃん。矢花、先生に夢を否定されたもんな(^_^;)」

思えば、龍は俺の夢を否定していない。

龍に楽器を触れさせても楽しんでいたし、俺と一緒にやった時も嬉しそうだった。

矢花「まぁ、俺と同じく音楽好きだけどさ。彼は踊る方が好きなんだ。バレエが得意でさ。俺の弾くキーボードの音楽に合わせて踊ったんだけど、プロ並みに上手くて綺麗だったよ」

和田「へぇ〜、俺も見てみたいな(^-^)」

矢花「うん。さ、ちゃっちゃと掃除を終わらせよっか(^^)」

和田「だな(^^)」

和田くんの箒を動かす手が速くなったので、俺も雑巾を動かす手を速めた。

掃除を終えて、俺はショルダー形式の通学鞄を背負い、

和田くんは通学鞄を背負うと、一緒に教室を出る。

和田「今日は音楽塾もないし、俺は放課後は暇だから、今から矢花の家に行ってもいい?」

矢花「うん、いいよ。じゃあ、家族にLINEして聞いてみる」

下駄箱で運動靴から革靴に履き替えながらそう言い、

校門を出て少し歩いた所で、LINEしようとスマホを出した。

あれ?結からLINEが来てる。

お兄ちゃん!うちに井ノ原さんが来ている!すぐに帰ってきて!

井ノ原さんがΣ( ゚Д゚)!?

和田「どうした?」

矢花「和田くん、ごめん!急用が出来たから、また今度にしてもいい?」

和田「あぁ、分かった…」

矢花「本当にごめんね!じゃあ、また明日!」

和田くんに手を振ってから、家に向かって走り出した。

日を改めて来るって言っていたのに、早すぎるんだけど!?

とはいえ、大事な話だ。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時

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