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松尾サイド

髪を綺麗にしてもらったお客さんの晴れやかな笑顔…。

七五三掛「お客様は『明日も頑張れる!』とか『上手くいけそう!』とか、ポジティブになる事もあるんだ。いつもお仕事や勉強で疲れている社会人や学生、育児に悩んだり疲れている主婦がここに来て、綺麗にしてもらう。そしたら、癒されて疲れも吹っ飛ぶんだ(^-^)」

松尾「…」

七五三掛「俺の親友もプライベートで来るんだけど、ネガティブ気質でさ。アイツは俺を必ず指名して、話し相手になってあげてるよ。シャンプーしながら愚痴を聞いたり、髪を乾かしながら仕事の話を聞いたりね(^_^;)」

松尾「た、大変ですね…(^_^;)」

七五三掛「そうでもないかな。まぁ、有名人って事もあるけど」

このヘアサロンに来る有名人、多くないですか…(^_^;)?

七五三掛「だから、お客様を綺麗にしてあげて癒してあげるのが俺からのプレゼントって事。親友のアイツも晴れやかな笑顔になるんだ(^-^)」

シャワーの音が無くなり、七五三掛さんは「お疲れ様でした〜」と声を掛けた。

場所を移動して椅子に座り、鏡に濡れた髪の自分が映る。

松尾「バナさんへのプレゼント…」

俺は目を閉じて、バナさんの事を考えてみる。


(第4話の4-3、4-4)

松尾『終わったよ。いかが(^^)?』

矢花『龍、ちょうど良いぐらいだよ!ありがとう(^-^)!』

髪を切った後のバナさんも、満開の笑顔になっていた…。


俺が髪を切って、嬉しそうにしていたバナさん。

そうだ、プレゼントは品物じゃなくてもいいんだ。

松尾「(バナさんへのプレゼント、思い付いた(*^^*)!)」

目を開けて、鏡に移っている自分に向かって頷いた。

七五三掛「はい、乾かしますよ〜(^-^)」

ドライヤーの音が聞こえる中、バナさんへのプレゼントをあげるのにワクワクしていた。


その頃…。


矢花サイド

キーンコーンカーコーン…。

和田「なぁ、矢花。お前の家に居候している男子、会ってみたいんだけど」

放課後の教室。掃除当番の和田くんが、箒を動かしながら聞いてきた。

そーいえば、和田くんにはまだ龍を紹介してなかったな。

矢花「あー…いいんだけどさ」

和田「どうした?(・・?)」

机を拭いていた雑巾の手が止まってしまった。

龍…児童養護施設に本当に帰ってしまうのだろうか。

そうなると、龍は施設の子供達に苛められたり、キツく当たられるに違いない。

井ノ原さん以外の職員達も知らんぷりだよな。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時

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