第7話 龍との別れ…? ページ41
矢花サイド
矢花「井ノ原さん､何の話に来たんだろ?」
松尾「…」
夜､部屋で俺は龍の髪を乾かしながら､家の前で再会した井ノ原さんの事を思い出していた｡
話があって来たらしいけど…｡
今から数時間前の夕方…｡
井ノ原「矢花くん､久しぶり(^-^)」
矢花「あっ､井ノ原さん｡お久しぶりですm(_ _)m」
井ノ原「龍も元気そうだね(^-^)」
松尾「はい､お陰様で…」
龍は俺の後ろで､ペコペコと頭を下げている｡
矢花「あの､何かお話があって来たんですか?(・・?)」
井ノ原「あー…そうなんだけど｡ご家族は､まだ帰ってないのかな?」
矢花「はい､父も母も今日は帰るのが遅くなるんです｡ごめんなさいm(_ _)m」
井ノ原「そっか｡大事な話だったんだけど､急ぎじゃないし｡日を改めてまた来るよ」
松尾「大事な話…?」
井ノ原さんは「じゃあ､失礼します」と頭を下げて､立ち去っていった｡
松尾「(大事な話って､まさかと思うけど…)」
矢花「よーし､乾いたよ」
髪を乾かし終えると､急に龍がクルッと向いてきた｡
松尾「ねぇ､バナさん」
矢花「うん?」
松尾「もし､俺が矢花家からいなくなったらどうする?」
矢花「えっ､何だよ｡急に…」
松尾「もしの話だよ｡バナさんだったら､どう思うのかなって」
何でそんな難しい質問をしてくるんだ｡
そんな事を聞かれても…いや､待てよ｡
井ノ原さんの大事な話って､まさか…｡
矢花「龍､もしかして施設に戻ることが決まったとか…?」
松尾「な､何言ってんの!違う話かもしれないじゃん(＞_＜)!」
矢花「だ､だよね…ごめん(ーー;)」
松尾「俺は出来れば､矢花家にずっと過ごしたいなって思う｡ご両親は優しいし､結ちゃんは可愛いし(^^)」
龍が居候して､すっかり家族と仲良くなって矢花家の一員になったんじゃないかと思う｡
だけど､元々彼は施設に住んでいるんだ｡
施設に帰る事になる可能性だってある｡
矢花「龍がいなくなったら…俺も家族も悲しくて､寂しくなるなって思うかな…」
松尾「バナさん…」
矢花「でもさ､俺達は龍を家族の一人だって思っているよ｡妹なんて､俺よりも懐いちゃってるし(^_^;)｡それはそれでいいけどね」
松尾「俺は弟も妹もいないからね(^_^;)」
矢花「そうだった(^_^;)｡あっ､ドライヤーを洗面所に戻してくるついでに､親父と母さんに井ノ原さんが来たことを話してくるよ」
松尾「うん､分かった」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月15日 11時
