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第6話 みにくいダンサーの子と絵描き少年 ページ32

松尾サイド

店員「ありがとうございました〜」

100円ショップを出て、袋の中身を確認してバナさんの家へと歩き出した。

俺が今、歩いているのは街の商店街の中。

前に、バナさんと2人で来たけど、いつも賑わっている。

けど、平日の午前だからか人はあまりいないね。

施設にいる時や家にいる時は白い服を着ているんだけど、

外出時は、前にバナさんとここに来た時に買ってくれた服を着るようになった。

松尾「(バナさんが選んでくれた服、大事にしようっと(*^^*))」

半袖にも長袖にもなる白と黄色のボーダーシャツと、黒いハーフズボン。

そして、白と黄色のボーダーソックスに有名なブランドの黒いスニーカー。

俺はお洒落好きだけど、小さな街に住んでいた頃や施設にいた頃は、

洒落た服なんて、着れなかったもんな…(^_^;)。

松尾「(バナさんの学校、今日の授業は午前だけだから、だんだん学生が増えてきたな)」

俺も早く帰った方が良さそう。

バナさんのお母さんに頼まれたおつかいも終わったしね。

松尾「うん?」

地面に何本かの色鉛筆が転がってきた。

転がってきた方を見ると、制服を着た男子が散らばった色鉛筆を拾っている。

あの色鉛筆は多分、彼のだよね。

俺は近くに転がってきた色鉛筆を拾い、同じく色鉛筆を拾っている彼に話し掛けた。

松尾「あの、この色鉛筆は君の?(・・?)」

?「うん?あっ、俺の色鉛筆!拾ってくれてありがとう(^-^)!」

松尾「どういたしまして。良かった(^^)」

色鉛筆の持ち主の男子学生が着ている制服は、バナさんが通っている学校の制服と同じだ。

ネクタイの色は自由みたいで、黒髪でちょっと可愛らしい末っ子タイプ(?)の彼は紫色のネクタイを着けている。

松尾「あの…何してるの?(・・?)」

色鉛筆の持ち主の彼は、指で四角の形のポーズを作って俺を覗くように見ている。

カメラで写真を撮ろうとしているみたい(^_^;)。

?「…いけそうかも」

松尾「えっ?」

?「ねぇ、この後時間ある?」

松尾「あー…」

バナさんは今日は友達と一緒に用事があって家に帰るのは夕方ぐらいって言っていたし、

結ちゃんも学校のクラブがあって帰るのは夕方だって言っていたな。

あっ、バナさんのご両親も今日は帰りが遅くなるって言っていたっけ。

松尾「うん、あるよ」

?「だったら、絵のモデルになってほしいんだ」

絵のモデル…?

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時

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