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松尾サイド

静かな森で、いつものように1人で踊っていたら、

落ち葉を踏んだ音がして、ビクッとした。

見つかっちゃった…と思って振り返ったら、

黒髪であまり食べていなさそうな程の細身の体型をした、俺と同い年ぐらいの人。

いつも人と接する時はビクビクしてしまうのに、この人はそんな事ない。

気がつけば、俺はゆっくりと歩いて近づいていた。

松尾「(何て優しそうな人なんだろう…//。それに、カッコ良さそうな目。吸い込まれてしまいそう…//)」

矢花「あ、あの…?」

松尾「あっ、ご、ごめんなさいっ//!」

うっとりするように見つめていたら、話しかけられて我に返った。

矢花「あー…俺の方こそ、ごめん。何か邪魔したみたいで…(ーー;)」

申し訳なさそうに謝ってきたので、俺は気にしてないと言うように首を横に振る。

矢花「俺、矢花黎。この街に住んでいる高校生なんだけど。君は?」

松尾「松尾龍。一応、この近くに住んでるの」

矢花「(一応?どーゆー事だろう?)そう…。それで、何でこんな所で踊っているの?(・・?)」

松尾「俺には…バレエしかない(´・д・`)」

だって、それだけが取り柄。踊る事が大好きだから。

それ以外、つまらなくて楽しくない。

ここで踊っている時間が俺の幸せだもの。

?「龍〜!」

はっ!この声は…。

松尾「ここにいてはダメ。早く、ここから離れて!」

矢花「えっ?わ、分かった…(・_・;)」

その人は戸惑いながらも、俺から離れて慌てて走り去っていった。

折角、こんなに優しげな人に会えたのに、一瞬で終わってしまうなんて。

でも、仕方がないんだ。

唇を噛みしめ、声がした方へと走り出した。



矢花サイド

矢花「(一体、誰だったんだ。彼は…)」

結「お兄ちゃん?おーい、お兄ちゃん?」

夕食の時間、そんな事ばかり考えていた俺に、

妹の(ゆい)が顔を覗き込んで話し掛けた。

矢花の母「さっきからボーッとしてるけど、大丈夫(^_^;)?」

矢花「大丈夫…じゃないかも(^_^;)」

矢花の父「試験終わりで疲れているんじゃないか?」

矢花「うん、そうかも…(^_^;)」

親父と母さんにまで、心配されてしまった(ーー;)。

俺を含む矢花家は全員、音楽が大好きで、

たまに家族でセッションする事もあるんだ。

家には楽器だらけで自由に使えるようになっていて、

俺は毎日のように、楽器に触れているんだよね。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時

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