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矢花サイド
意外だったな…天才バイオリニストと呼ばれた彼が将来、弁護士を目指しているなんて。
浮所「罪のない人々を救いたい想いが強くて、幼少の時からの夢なんだ。でも、バイオリニストとしての道を歩む事になってしまって、色々あったけれど今はこうして学業と弁護士の勉強ができて嬉しいし。両親はもちろん、バイト先の皆さんにも気に掛けてくれているから充実した生活を送っているよ(^^)」
色々あったって事は、よっぽど大変な事があっただろうと想像する。
でも、本人の事を想って聞かなかった。
浮所「だけど、バイオリンを弾く事は好きだから、これからも続けようと思ってる。その内、聴かせてあげるよ(^^)」
松尾「やった(*^^*)!浮所くんの奏でるバイオリンの音色に乗って、踊りたかったんだ(^-^)!」
浮所「…?どーゆー事(^_^;)?」
矢花「あー…龍はバレエが得意で、踊ることが好きなんだよね」
浮所「そーゆー事かぁ。じゃあ、空いている時間にでも練習しようかな?」
松尾「(ふふふ…楽しみがまた1つ、増えちゃったな(^-^))」
浮所「(腕時計を見て)あっ、もうこんな時間だ。じゃあ俺は、そろそろ帰るよ。早く良くなってね(^-^)」
矢花「うん、今日は来てくれてありがとう」
松尾「俺、送ってくるね」
矢花「よろしく〜…」
龍と浮所くんが出ていくのを見送ると、再びベッドの中に潜った。
浮所くんの言う通り、早く治さないとな…(^_^;)。
クラスの学級委員でもあるから、迷惑を掛けるわけにはいかないもん。
松尾サイド
発熱のバナさんの代わりに、浮所くんを玄関まで送ることにした。
松尾「浮所くん、改めてお見舞いに来てくれてありがとう(^-^)」
浮所「どういたしまして(^^)じゃあ、俺はこれで」
靴を履いて、扉を開けようとドアノブに触れた時、「あのさ」と彼は言った。
浮所「龍くんって、施設で暮らしていて今は矢花くんの家に居候しているんだよね?」
松尾「そうだけど、何かいけなかった?」
浮所「いや…ちょっと気になっただけだよ」
松尾「居候と言っても、少しの間だけだけどね。その内、施設に帰る事になるだろうし」
浮所「龍くん」
松尾「なぁに?」
浮所「矢花くんの事、大切にしてあげて。彼、学級委員をやっているとはいえ、クラスでは存在感が薄くて弄られてばかりだからさ。家では龍くんがいないと、矢花くんはダメなんだと思うんだよね」
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時