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松尾サイド
松尾「…というわけ」
バナさんを強制的に部屋へと戻らせて､お友達でクラスメイトの浮所くんをリビングに案内させた｡
心配して来てくれたんだろうけど､俺や浮所くんに移ったらどーすんの…(ーー;)｡
俺は浮所くんに矢花家に居候している理由を話すと､彼は納得して分かってくれた｡
浮所「なるほどね｡随分と大変だったじゃん(^_^;)」
松尾「うん…でも､バナさんやご家族と過ごして幸せなんだ｡あっ､何か飲む?」
浮所「あー､いいよ｡プリントを届けに来ただけだから｡はい､プリントね｡矢花くんに渡して」
松尾「ありがとう」
浮所「本当は矢花くんと仲良しの友達が行く予定だったんだけど､音楽塾があってダメだったから俺が代わりに届けに来たんだ」
松尾「そうなんだ…」
浮所「そういえばお粥､食べさせたって言っていたけど､他に何か食べさせた?風邪に効く食べ物」
松尾「えっと…お粥しか分からなくて｡バナさんのお母さんから作り方を教わったんだけど､上手く作れなかった(^_^;)」
浮所くんは「うーん…」と考え込むと､キッチンに行った｡
えっ…何やってるの(・_・;)?
浮所「冷蔵庫に林檎もしくはチョコレートある?」
松尾「チョコならあるけど…(スーパーで買ったやつで､バナさんと仲良く食べる予定だったのに…(ーー;))」
浮所「じゃあ､それをかしてもらっていい?」
松尾「ど､どうぞ…」
冷蔵庫から板チョコを渡すと､「あと､牛乳も」と言われたのでそれも出し､
まな板､包丁､計量カップ､鍋､泡立て器も用意した｡
準備ができた所で､浮所くんは板チョコを細かく切り始める｡
松尾「何を作ってるの?(・・?)」
浮所「ホットチョコレート｡風邪によく効くんだって｡俺が風邪をひいた時､母さんが作ってくれたんだ」
松尾「へぇ〜…」
板チョコを切り終えて､鍋に牛乳を入れると泡立て器で混ぜながら沸騰させていく｡
松尾「浮所くんはバナさんのクラスメイトだよね｡お話､した事あるの?」
浮所「あんまり話した事はないかな｡俺は天才バイオリニストととして忙しかったからね…今年の4月までは」
松尾「天才バイオリニスト…ええっ!?そうなのΣ( ﾟДﾟ)!?」
浮所「あれ?俺の事､知らないんだ(^_^;)?」
浮所くんが振り返って苦笑いすると､俺は「はい…」と頷いた｡
バナさんのお友達って､有名人もいたのね…(^_^;)｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月15日 11時
