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矢花サイド
松尾「これでよし｡バナさん､早く弾いて〜」
矢花「はいはい…(ーー;)」
ピョンピョンと兎のように跳ねる無邪気な龍に､
俺は渋々､キーボードの前に立った｡
何を弾けば…あっ､龍が楽器をどかしたのは､そーゆー事ね｡
俺は小学生の時に音楽の授業で発表した､クラシック曲を弾いた｡
松尾サイド
楽器を部屋の隅に置いたのは､バナさんが弾くキーボードの音楽で踊りたかったから｡
わがままかな…って思ったけど､応えてくれるバナさん｡
バナさんが弾き始めたのはクラシック音楽の1曲､メヌエットだった｡
弾き始めたと同時に体が自然と動き､俺は踊り出す｡
松尾「(あぁ…この時が幸せ…｡バナさんの奏でる音楽に乗って､ずっと踊っていたい…//)」
子供の頃も､学生の頃も､施設で暮らしていた時も音楽無しで､
踊っていたから､寂しくて憂鬱だったの｡
自然の中だと､風で揺れる草木や鳥の囀ずりが音楽に聴こえるから､
施設を飛び出して､森の中で踊っていたわけ｡
自然の中で踊るも好きだけど､バナさんの奏でる音楽に乗せて踊るのが好きになった｡
この前までは夢や目標なんて､作れなかった｡だけど…｡
松尾「(いつか､バナさんが作った音楽でバレエを踊る事…｡それが俺の夢)」
バナさんにいつか､そう打ち明けたい｡
そしたら､バナさんは喜んでくれるかな…//｡
矢花「あの〜､龍?もう､弾き終えたんだけど…(^_^;)」
松尾「ええっΣ( ﾟДﾟ)!?ご､ごめん…//」
矢花「あはは…あまりにも夢中で踊ってるから､話しかけづらかったよ(^_^;)」
松尾「ごめんね､バナさん…//」
は､恥ずかしい…//｡
矢花「(壁掛けの時計を見て)あっ､もうこんな時間か｡そろそろ､夕飯の買い出しに行かないと」
松尾「バナさん､料理はするの?(・・?)」
矢花「やらないね(^_^;)｡だから､スーパーに行ってお惣菜を買いに行くんだ」
松尾「俺も一緒に行っていい?一人で留守番するの､嫌だもん」
矢花「いいよ｡一緒に行こっか(^-^)」
松尾「やった(*^^*)!」
という事で､バナさんと一緒に夕飯のおかずを買いにスーパーに向かう事になった｡
バナさんはいつも近くのスーパーに行くんだけど､今日は住宅街近くのスーパーに行くみたい｡
矢花「住宅街近くのスーパーは毎週土曜日の夕方､お惣菜の激安のタイムセールをやるんだよね｡いつも勝負時だから､緊張するのよ(^_^;)」
松尾「へぇ〜…」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月15日 11時
