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矢花サイド
矢花「何でもない。2人とも、お帰り」
矢花の父「あっ、あぁ…なら、いいんだ」
矢花の母「すぐに夕飯の支度をするわ」
矢花「母さん、俺も手伝うよ」
松尾「俺も手伝います(^-^)」
矢花の母「ありがとう。今日は、鶏の唐揚げよ(^-^)」
俺らは「やった(*^^*)!」と笑顔でガッツポーズした。
その日の夕飯の鶏の唐揚げは、2人で一緒に作って揚げたからか、特別に美味しかった。
松尾サイド
あぁ〜、唐揚げ美味しかった(*^^*)♪
唐揚げを食べるなんて、いつぶりなんだろう。
居候を始めた日の夕食のカレーも美味しかったし(^-^)。
松尾「(矢花くん、お風呂長いなぁ…)」
寝巻き姿(矢花くんのお母さんが買ってくれたんだ)の俺は矢花くんの部屋で、
戻ってくるのを待ちながら、柔軟をしていた。
毎日、柔軟をしないと体が硬くなってしまうんだ。
だって、体は正直ってよく言うでしょ。
バレエは常に体を柔らかくしないとダメだからね。
踊りたいけど、矢花くんの部屋じゃとても無理だし…(^_^;)。
矢花「お待たせ」
松尾「お帰り(^^)」
矢花くんが戻ってきて、俺は立ち上がって出迎える。
にしても矢花くんは、変わった寝巻きを着ていた。
白Tシャツに八王子と書かれた丸い判子が描かれていて、黒いズボン。
ちなみに、俺はグレーのパーカーとズボンを着ている。
松尾「今日、お友達の家に行ったんでしょ。どうだった?」
矢花「あー…普通に楽しかったよ」
松尾「そっか…」
どうも楽しかったようには見えないんだけどなぁ?(・・?)
矢花「龍は将来の夢とか目標はあるの?」
松尾「俺の夢…?」
俺はバレエだけが取り柄。夢や目標なんてない。
お兄ちゃん達や近所の子供達に学校のクラスメイト達、施設の子供達にいじめられ、
からかわれ、辛く当たられて…そんな余裕なんて無かったんだ。
俺は首を横に振ると、矢花くんは「そっか…」と残念そうに言った。
松尾「どうして、そんな事を聞いたの?」
矢花「いや、何でもない。俺、そろそろ寝るよ。龍も寝よ?」
松尾「うん…」
矢花くんは電気を消すと、ベッドの中に潜り、
床に引いた布団の中に俺も潜った。
矢花「龍、お休み」
松尾「お休み…」
そう言うと、俺は目を瞑った。
第3話『否定された将来の夢』 終わり
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月15日 11時