マルチプレイヤーとプリンシパルの条件 (ページ12)

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矢花サイド

ピピーッ!!(ホイッスルの音)

矢花「(この授業が終わったら昼休みだけど､龍は何を食べるのかな｡母さんが作っておいたって聞いたけど)」

ゴールを知らせるホイッスルが鳴って､得点の紙を捲る｡

和田「矢花!ゴールしたの､俺らのチームじゃないぞ!?」

矢花「えっΣ( ﾟДﾟ)!?あっ､ごめん(＞_＜)!」

龍の事が心配で適当に捲ったら､青のユニフォームを着た和田くんに注意された｡

いけな…(ーー;)｡

謝って､急いで和田くんのチームの得点の紙を戻し､相手チームの得点を捲った｡

何をやってるんだろ､俺…(ーー;)｡

キーンコーンカーンコーン…｡

和田「いや～､皇輝の活躍のお陰で圧勝だったわ!さすが､元サッカークラブ(^-^)」

皇輝「それほどでもないよ｡向こうが攻めまくってきて､焦っちゃったわ(^_^;)」

授業後の更衣室｡

和田くんと同じクラスの川﨑皇輝くんの会話を聞きながら､体操着から制服に着替える｡

和田「それより､矢花｡さっき､何で得点板を間違えたんだよ(^_^;)」

矢花「悪かったって…(-_-;)」

皇輝「お疲れなんじゃないの?習い事､行ってるし」

矢花「いや､考え事してた…(-_-;)」

和田「どうしたんだよ?悩みなら､相談にのるぞ?」

矢花「大した事じゃないよ｡先に出るね」

制服に着替え終えると､和田くんと川﨑くんを置いて更衣室を出た｡

はぁ～､腹が減った…｡

早く教室に戻って､お弁当を食べよ｡

母さん､大変なのに俺と結､親父に毎日､お弁当を作ってくれるんだ｡

仕事して､ご飯を作ってくれて､

いつも自分の事は後回し｡

本当に感謝している｡

教室に戻って､通学鞄から白い巾着袋を取り出し､開けて弁当箱を出した｡

矢花「(あれ?これだけ?)」

いつも2段なのに､1段だけ…?

弁当箱の上には500円玉1枚と､

1枚の紙切れが入っていた｡

首を傾げながらも､紙切れを手にすると､ゆっくりと開いた｡

『黎へごめんね｡おかずの材料が足りなくて作れませんでした｡なので､これで近くのコンビニでおかずを買って下さい｡お母さんより』

えーーーーーっ(;ﾟдﾟ)!!!!!?????

そーゆーのは朝､言えば良かったじゃないか(＞_＜)!

意気消沈していると､教室に入ってきた制服姿の和田くんと川﨑くんが話し掛けてきた｡

和田「矢花､どうした?昼飯は?」

矢花「うぅ…実は…(´・_・`)」

俺は2人に､事の事態を話した…｡