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A「えっ…？」
玄関を出た先は、草花が生い茂っていた。
背の高い木々ばかりで、上を見上げても空は見えない。
振り返れば、
室内とは全く系統の違う小さな小屋が一つ。
私が居た場所は、
深い緑の奥だったんだ。
だから普段は、音がしなかった。
人が居ないから。
私がその光景に目を奪われていると、
再び大きな音が聞こえ、思わず駆け出す。
走っても走っても緑は続くばかりで、
自分が今どこに向かっているのか分からない。
街に出られるだろうか。
人が居る場所に行けるだろうか。
そんな思いから走っていたけど、
走れば走るほど、迷い込んでいる気がした。
このままじゃ駄目だ。
時間の流れと一緒に、
上下左右の感覚が無くなっていく。
ぐるぐるグルグル。
まるで迷路みたいな森だ。
止まることを知らない、
頬を撫でる湿気を帯びた風。
自分がこうやって逃げてるからか、
誰かに追われている感覚がして、腹の奥が気持ち悪い。
走っても走っても街は見えないし、
人っ子一人出会わない。
そろそろ限界だ。
体力的にも、精神的にも。
森を走ったことで腕や指先には切り傷。
息は乱れ、生理的な涙が流れる。
熱く、甘い香りに誘われるように、
森の奥から聞こえだす
大我「……おかえり。A。」
私は無意識にも、
あの小屋へと戻ってきていた。
A「きょも…、きょも…。」
玄関に入ってすぐの壁に
寄りかかるようにして立っていたきょもは、
私の姿を見つけるとニコッと笑った。
大我「俺に"おかえり"は言ってくれないの？」
そんな余裕は無かった。
何であと2日程出掛けている筈のきょもが
帰ってきているのか気になったけど、
それよりも、
私は追いかけてくる恐怖のことで頭がいっぱいで、
彼の存在に安心していた。
大我「怖かったっしょ？ほら泣かないで。一緒にお風呂入ろうよ。沢山走ったみたいだし。その後傷の手当してあげる。」
踏み込めばもう二度と戻れない。
分かっている筈なのに、
私はその一歩を踏み出した。
もう遅すぎる。
キィッと音を立てながら、
古びた、小さな扉が、
きょもによってしっかりと閉められた。
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Shiona(プロフ) - 菫さん» ありがとうございます。頑張ります。 (2022年12月2日 23時) (
レス) id: 146bf73b62 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - まさかの全員集合！？これはきょもも来る感じですね！！更新待ってます！！ (2022年11月29日 21時) (レス) @page43 id: a9a6cb0fc5 (このIDを非表示/違反報告)
Shiona(プロフ) - 菫さん» さてどうでしょう( ・∀・)いつもコメントありがとうございます。お互い体調に気を付けましょうね。 (2022年9月28日 11時) (レス) id: 146bf73b62 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - バード、ライオンってことはjungleに関係してくるんですか！？人生6回目って言ってたから多分スト全員の回来ますよねこれ！！次は誰かなってめっちゃ楽しみにしてます！！寒くなってきたのでお体に気をつけてください！ (2022年9月26日 17時) (レス) id: a9a6cb0fc5 (このIDを非表示/違反報告)
Shiona(プロフ) - 菫さん» 前作に引き続きありがとうございます(^-^)楽しんで頂けたらと思います。 (2022年9月20日 22時) (レス) id: 146bf73b62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiona
| 作成日時：2022年9月1日 22時
