愛してるという。∞章大 ぱぁーと2

おじいさん ページ9

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海からほんの少し離れた海の家に
あのときのおじいさんがいた。


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章大「あの…、僕のこと覚えてます…?」


海の家にはお年寄りの方たちがいた。


向こうにもう1つ海の家あるからかなぁ。


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『あっ、あのときのカップルかい?』


覚えてたんや…。


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章大「そう、ですね…」


『今年は写真撮らないのかい?』


章大「あぁ…、はい…(笑)
　別れたんです、去年…」


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おじいさんの横に座って話した。


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『幸せになるなと、思ったんになぁ…』


章大「…僕もなんで別れたか分かんないんです、ははっ…」


『楽しかったかい?』


章大「え…?」


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『大事な人とおるときは、楽しかったかい?』


章大「そりゃぁ…、もう…」


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『わしは毎日ここに座ってるから
　よく写真撮ってくれ言われるんよ』


章大「…毎日?」


『心のどっかでばあさんのこと
　待ってるんやろな、きっと』


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『この世には、もうおらんのにな。ははっ(笑)』


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