行かないで。-yuri.C-

future ページ3

「…ねむっ」

なんでこう、飲むと眠くなるんだろう….。

トイレの鏡で自分の少し赤くなった頬を見ると、なんだか僕は本当にアイドルやってんのかと疑いたくなるほど。

「…ま、いいや」

なんせ僕は自分に満足してるんでね、小さくたっていいんだ。



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エアータオルで手を乾かし、扉を押してトイレを後にする。





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『…あの!』


「……、」

聞いたことのない声に足が止まる。きっと僕のファンか何かだろうと、一瞬で考える。




「.....」


酔っているからなのか、はたまたプライベートだからなのか、応えてあげようという気がいつもより失せる。

....ありがとうとでも言って、その場を収めようと思って彼女に向き直る。

でも、僕の言葉を遮って彼女は言った。







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『…来週、あの映画館には行かないで!』

「え、」


…来週?.....映画館?




「…えっとー、僕のファンですか..?」

『ファンっていうか、あの….』

目が泳いであちこちに視線を向ける彼女。





『…は、はいファンです!で、そのっ、』




.






『来週、映画観に行きますよね?だから、』

「ま、待って。…僕そんな約束誰ともしてないし、行く予定もないよ」


手のひらを前に出して、待ってというジェスチャーをする。


何を言っているんだろうこの子は。



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