prince ページ3
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『……ふふっ』
電車に乗りながら、つい思い出し笑い。
“恵比寿ガーデンプレイス、時計広場、1時!”
優太が指定した、待ち合わせ場所と時間。
どこかで聞いたことのある、洒落た言葉を使いつつ、最後にビックリマークがついていて、
やっぱり優太だな、なんて思った。
ひろが、土曜保育を利用していたから来れた今日。
保育士さん、ありがとう…!
そんなことを考えながら、向かう時間は、とっても楽しいけど、
『……』
少しの不安と勇気を、持ち合わせていた。
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『……』
私よりも早く、優太はそこにいた。
オブジェに寄りかかりながら、スマホをいじる優太は、自分では気づいてないけれど、
通りかかる人が、チラッと視線を向けている。
…そっか。
優太も、充分魅力的な人なんだ。
一緒にいすぎて、忘れかけていた。
『…優太』
私が名前を呼ぶと、
優太「…お、」
優太「お、おお…」
ぎこちなく、小さく、私に手を振った。
『おまたせっ』
優太の私服は、ほとんど見たことがなかった。
すっごくシンプルで、白Tが似合っている。
へえ、なんかちょっとカッコいい…。
優太「なんかオシャレすぎてついていけねーな、ここ!」
『ふふ、優太がここって言ったんでしょ』
たしかに、歩く街並みは、オシャレなお店とオシャレな人ばっかり。
優太「なんつーか、憧れ的な?いやぁ、まじすげーな」
優太も、感心しているよう。
こうして、優太と歩くだけでもう、すでに楽しくて。
今日が、とっても楽しみ__________
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作者名:ティパ二 | 作成日時:2019年6月23日 23時