destiny ページ36
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「……」
廉は、私から優しく手を離す。
「…ただいま」
『……おかえり』
「ただいま」
『…おかえり……?』
「ただい『しつこい』
「…ははっ!そこはあれやろ、元気におかえりって言うとこやろ」
廉は笑う。
目を細ませ、心から笑っていた。
「はぁ、まあそれがAらしくて好きやけどな」
『…どーも』
「おま、…ほんとに、可愛げを知らんな」
こうして、普通に会話できることが、不思議なのに重たくなくて。
私って、こんなにも廉のこと、待ってたんだって実感する。
「…卵、買い直す?」
『……あっ、』
下を見ると、ぐちゃぐちゃと潰れたたまごが6つ。
パックから、中身が漏れていた。
『あー…、うん、買い直す』
私はゆっくりとそれを拾う。
無駄にしてしまってごめんなさい。と、心の中で謝った。
「そこにコンビニあるから、」
廉が指差した方向に、コンビニの看板の半分が見える。
『…うん』
.
『…助けてくれてありがとう。ってまだ伝えてなかったね』
もう一度廉に顔を向ける。
廉も、私を見る。
「ほんとはそれが一番に来るはずの言葉やろ」
『ごめんごめん』
『…じゃあ、廉も気をつけて帰ってね。おやす「は?お前身の程知らずもいいほどなんやけど」
『……』
1人コンビニに向かおうとしたら、また罵声。
私が何も言わないと、はぁぁー、とわざと聞こえるようにため息をついた。
「バカなん?また同じ道歩いて帰るんやで?言っとくけど、お前、人並みの人間やないから。1人で歩いとったら、変な猿に捕まんぞ」
一体心配しているのか、怒っているのか。
そして、そっと私に手を差し出す。
『……、』
「……」
私は、その手を握らなかった。
「…どういうこと?」
『……この手は、握れない』
『もう、会うのはこれっきり』
『私たちは、また、“学校の同級生”に戻るんだよ』
「は…?」
廉の顔が歪む。
今度は、怒ってるんだってはっきりわかった。
「…意味わからん。俺のこと待っとったんやないの?」
『もちろん、待ってたよ。でもね、』
『今の私に、廉は必要ない』
どうか、私のわがままを、許してください＿＿＿＿
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ティパ二(プロフ) - 有姫さん» ありがとうございます！3回も！作者はとても幸せです泣頑張ります！ (2019年6月17日 0時) (
レス) id: 431cc30fd2 (このIDを非表示/違反報告)
有姫(プロフ) - 最初っからもう3回も読んじゃいました！めっちゃ好きです！なんか涙出てきます！これからも更新楽しみにしてます！ (2019年6月16日 15時) (レス) id: 2062434e73 (このIDを非表示/違反報告)
ティパ二(プロフ) - コキンちゃんさん» えー！めちゃ嬉しいです！これからもご愛読ください！ (2019年6月9日 0時) (レス) id: 431cc30fd2 (このIDを非表示/違反報告)
コキンちゃん - めちゃめちゃ好きです！ (2019年6月8日 22時) (レス) id: 53d29c3657 (このIDを非表示/違反報告)
ティパ二(プロフ) - あんぱんまんさん» ありがとうございます！なるべく良いペースで更新できるよう頑張りますっ！ (2019年6月3日 19時) (レス) id: 431cc30fd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティパ二
| 作成日時：2019年5月29日 16時
