purple eyes-you- ページ8
各駅電車は、空いていたので端の席に座った。岸くんに背中を向けるように。
車両にいるのは私をいれても３人。
背中で、岸くんからの視線を痛いほどに感じて、胸が苦しくなる。
早く、ドアが閉まってほしい。
プシューッという、ドアの音がしたと同時に、今まで我慢していたものが全部弾けたような気がした。
それは、紛れもなく君のせいなのに。
『はぁ.....。』
太ももに肘をついて、両手で頭を抱え込む。
ダメ。出てこないで。
そう思うとするほど、体は反比例するから、
『っ、.....』
さっきよりももっとしょっぱくておいしくない涙が唇を通った。
下を向いたまま、誰にもばれないように鼻をすする。
振り向いたら君がいて、張りつめていた何かがすっと消えて、全ての荷が下りた気分だった。
ああ、ずっと会ってなかったのに、君にはこんなに安心できるんだ。
君が「大丈夫」「安心して」って言わなくても、勝手にそう思えちゃうんだ。
いつだって一生懸命で、でもどこか抜けていて頼りにならないのに、
私は、岸くんがいてくれると嬉しくて、ホッとする。
１人じゃないって、思える。
電車に乗る前、つい言ってしまったあの言葉を、早く実現させたいな。
.....そう思ってるのが、私だけじゃないといいな。
.
一駅隣の最寄りに着くと、自分の車両には全然人がいなかったのに、意外と人が乗っていたんだなと、降りてくる人たちを見て感じた。
階段を上って、改札が見えた瞬間、足がすくむ。
この改札を抜けたら、家に着くんだ。
『.........、』
初めて、帰りたくないと思った。
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ティパ二(プロフ) - かいとんさん» かいとんさん、ありがとうございます!一生懸命な岸くん、これからどうなっていくのかぜひ楽しみにしていてください！ (2021年8月10日 12時) (
レス) id: 46e8d5833a (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - 今日、一気読みしました！岸くんが一途で可愛すぎます！これからも頑張ってください！(尊敬)！！！(*ノﾟДﾟ)八(*ﾟДﾟ*)八(ﾟДﾟ*)ﾉｨｪｰｨ！ (2021年8月9日 19時) (レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティパ二
| 作成日時：2021年7月31日 22時
