purple eyes ページ26
中を覗くと、ケーキを入れる時に使う箱が入っていた。
中身もずっしりしているようで、どうやらケーキに間違いない。
「店長......粋っすね。」
最近覚えた「粋」を使ってみる。
恥ずかしいことに、「枠」だと思っていたから…。
紙袋からゆっくりと箱を取り出す。
「しかもホールケーキ…!」
箱だけ見た感じ、絶対ホールケーキじゃん!
めっちゃ嬉しいけど、1人で食べきれっか?
「やっぱ廉呼ぶか....。」
なんて思いながらもう一度紙袋に箱をしまおうと、箱をもって紙袋を覗く。
「.....ん?」
「え、手紙?」
空っぽになったと思っていたはずの紙袋に、紫色のものがポツンと、入っていた。
またまた慎重に箱をカウンターに置き、それを紙袋から取り出す。
やっぱり手紙だった。しかもただの紫じゃなくて、まるで夜空を見立てるように小さな星がいくつか描かれた、綺麗な封筒。
「.........。」
これは、店長のものではないと感じた。
もしかして。
なんて考えると、手紙を持つ手が少しばかり震えた。
落ち着け、と言い聞かせながら皺がつかないよう、丁寧に封筒の中から取り出す。
手紙自体は真っ白な紙で、二つ折りにされているけどそこから文字がうっすら透けている。
静かな空間。何の音も聞こえない。なぜか緊張している。
そんな中、手紙を開いた。
やっほー。
そろそろ連れ去ってくれるのを待っています。
メリークリスマス。
「.......!」
胸が高鳴る。脈が速くなった。
たった3行。
少し丸っこい可愛い字。
「Aさんっ。」
今から、行きます。
どこにいたって、探し出しますから。
手紙を持ったまま、走ってカフェのドアを開ける。
「えっ......!?」
扉の取っ手を掴んだまま、立ち止まる。
目の前の光景を、信じられなかった。
「嘘.......、」
『やっほー。....メリークリスマス。』
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ティパ二(プロフ) - かいとんさん» かいとんさん、ありがとうございます!一生懸命な岸くん、これからどうなっていくのかぜひ楽しみにしていてください！ (2021年8月10日 12時) (
レス) id: 46e8d5833a (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - 今日、一気読みしました！岸くんが一途で可愛すぎます！これからも頑張ってください！(尊敬)！！！(*ノﾟДﾟ)八(*ﾟДﾟ*)八(ﾟДﾟ*)ﾉｨｪｰｨ！ (2021年8月9日 19時) (レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティパ二
| 作成日時：2021年7月31日 22時
