俺は彼女の言いなり。-ryosuke.Y-[完結]

言いなり ページ21

“行こう、山ちゃん。”






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「....は?なんで圭人いんの?」



午後8時半前。俺が玄関を開ける前にそれを開けたのは、圭人だった。

1日中いじけていたら、もうこんな時間。

_________A、だったりしないかな?なんて、インターホンが鳴った時は考えたけど、んなわけないですよ。





「なにか用?」



ごめん、今は当たり強くなっちゃう。








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圭人「Aちゃん、待ってるんじゃないの?てか待ってるよ!」








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「....なんでお前が知ってんだよ」


なんでお前が、Aの存在知ってんだよ。

会わせたことも、ましてや写真見せたこともねーのに。







「....もしかして、」






もしかして、昨日会っていたのは_____________

と、圭人は俺の声を聞いて慌て始めた。




圭人「それは、...後で話すからっ」







圭人「行かないとしても.....これは食べて。」




赤いリボンで飾られた箱。

それを俺の胸に押し付けた。






圭人「チョコ!今日あったかいから.....、郵便受けにあると溶けるでしょ?」


「チョコって....、」







圭人「昨日彼女は、彼氏へのバレンタインプレゼントを選ぶために、男の子と出かけたんだって。自分じゃわからないから、異性の意見が欲しかったんだって。」



圭人「朝、郵便受けにこれ入れて、ごめんなさいって口にしてた。」




呆然と立ち尽くす俺に、いつもとは別人のようにスラスラと話す圭人。

押し付けられた箱を、見つめる。








.







“ごめんなさい。”



リボンに挟んであるメモに何回も見かけたことのある文字で書かれていた。






圭人「それでも、彼女を許せませんか....?」









んだよ、これ。







「....うるせ、バカ。」




許すに決まってんだろ____________。









そうだ、Aはこういうやつだったじゃんか。

思ったことを素直に言えなくて、周りに誤解されて。







俺も、ごめんなさい____________

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