俺は彼女の言いなり。-ryosuke.Y-[完結]

言いなり-you- ページ20

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2月14日、午後8時。




私はというと、一人でオムライスを食べていた。

食べるのが遅いからなのか、すでにご飯は生ぬるい。






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シーンと静まり返った部屋。スプーンの音だけが響く。







何が嫌って、








....未だにチョコの匂いが部屋から消えないこと。








『....もうっ』

自分がバカすぎて、唇を噛みしめた。

もう食べたくないと、残った半分のオムライスをラップする。




....もしここにあいつがいれば、ちゃんと食べたかな...?

いっぱい食べる女子、好きだもんね。








「.....、」





なんて考えれば考えるほど、今自分が座っているソファでの出来事が思い出されて、たまらずクッションに顔をうずめる。






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きっともう、涼介は来ない___________


連絡もない、今繋がっているという自信はどこにもなかった。








でももし、




.....もし来たら、言ってやりたい。









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ピーンポーン....






『あっ.....』


そんな時に鳴らされたインターホン。






期待だけが、膨らむ___________




いつも聞きなれた音は、私を玄関へと急がせた。






誰だとか、スコープを覗こうなんて思わなくて、









ただ、あいつであってほしかった____________









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「.....っ、ごめん、」


その慌てた顔が愛おしくて、くすっと笑ってしまった。









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『....遅いんだけど?』





来たから、言ってやった。









『りょーすけ遅すぎっ....、』








やっと会えた、午後8時59分。








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