キ ス の ワ ケ - Ryosuke.Y -

# 9. ページ10

．


来てほしくない時間に限って
あっという間に来てしまう。









『はぁ…』




今日何度目かの溜息をつき、
重い足取りで屋上へと向かう


















･









･





屋上へと続く重い扉を押すと鈍い音を立てる
















扉を開くと気持ちのいい風が髪を撫でた







目を瞑って深呼吸してみる


















｢おせーよ｣








突然目の前から声が聞こえて
驚いて目を開けた







すると不機嫌そうな顔の涼介が目の前に立っていた














…近くでみるとやっぱり整ってるな













ってこんな時になにを思ってるんだ私は















しばらくじっと見つめていると
涼介が口を開いた。















｢何。もしかして俺に惚れた？｣








『ば、馬鹿じゃないの。
そんな訳ないでしょ！？』





｢ふーん？｣




『何よ』





｢別に｣












｢遅かった罰で購買でなんか買ってきて｣






｢はああああ！？｣









3分以内で。
そう付け加えてベンチに寝転がる











…ったくもう！
なんで私がこんな目に合わなきゃ行けないのよ












仕方なく購買に行こうと扉を開けた時。







『有岡先輩…』




階段を登る有岡先輩と鉢合わせになってしまった








どうしよう…
あの日以来すごく気まずい











そう思ってたら











｢山田の買いに行くんでしょ？一緒にいくよ｣





って有岡先輩が口を開いた





『え？』





思わぬ言葉にポカンとしてしまう






｢あ、いや、、
山田の好みとかわかんないでしょ？｣






あ、そういうこと…
変に期待してしまった自分ががすごく恥ずかしい
というか…
なんで涼介の買いに行くって分かったんだろう。












ま、いいや。











『じ、じゃあお言葉に甘えて』





｢ん、おっけ｣

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