キ ス の ワ ケ - Ryosuke.Y -

# 8. ページ9

.


涼介side


.




正直女に不自由したことはない。
















甘いマスクでニコニコして、優しくしてたら
顔を赤らめてホイホイついてくる。






















所詮、女なんてそんなもん。














俺が猫を被ってるのもそれを楽しむため。


























でも、あいつは
俺にまるで興味がないみたいだった。















あいつにキスした理由。

















それは、




















あいつが他の女と違ったから。























ほんの興味本位。






あいつの反応が新鮮で面白かったから、
あのゲームを持ち掛けた。












･









･









･






｢山田｣






不意に名前を呼ばれた







『なに。




…大ちゃん』








大ちゃんとは昔っからの友達。
いわゆる、幼馴染ってやつ。





｢なに、じゃねーよ。
お前、Aちゃんにまで手出しやがって｣







怒ることが滅多にない大ちゃんが
珍しく怒りを露にしていた










その必死な姿が可笑しくて、






『ふは、笑
お前あいつの事になると必死だな』






そう言うと、
大ちゃんは俺の胸ぐらを掴んで







｢ふざけんな。あいつは…Aちゃんは
お前が思ってるような女じゃねぇんだよ！｣






そんなの分かってるよ。
だから落としたいんじゃん。








『知ってるよ。
でも俺、辞めるつもりないから』








それだけ言って、
俺は大ちゃんの手を振りほどきその場を後にした











｢…っ｣
















後ろで大ちゃんが何か言った気がしたけど
気づかないフリをした。

# 9.→←# 7.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す