キ ス の ワ ケ - Ryosuke.Y -

# 5. ページ6

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『…っなに、すんの』




目に溜まる涙を必死に堪えて彼を引き離す









｢ん？なにって
俺のって見せつけるためだけど｣






悪びれもせず平然と答えるこいつ。








『だから
私はあんたの女になるつもりないから！！！！』



｢お前に拒否権ねーよ｣



｢いい加減諦めたら？｣






は…？

あんたの思い通りになんて絶対ならない






『絶対やだ』




｢ふーん。｣







｢じゃあさ、ゲームしよ。｣



｢惚れたら負け。
お前が勝ったら解放してやるよ｣









こいつ…人の話聞いてない
それにその上から目線本当に腹立つ






『…アホらし
そんなのやるわけないでしょ』






｢へえ？
そんな事言うんだ？｣






そう言ってジリジリと詰め寄ってくる。









そしてトンっと背中が壁に当たった









『ちょ、やめて！！！！』


｢お前がやるって言ったら、止める｣






そう言ってまた距離を縮めてくる










もう逃げ場はない。








『…っわかったよ、やればいいんでしょ…』






…ついに言ってしまった。
これから地獄が始まるのなんて目に見えているのに







｢じゃ、決まりね｣






なんて余裕の笑みを浮かべながら言うコイツ。





というか、
さっきと全然態度違うんですけど。







私の心の声が聞こえたのか、







｢これが俺の素。｣



私を見てそう答えた。



『えっ』


｢ふは、笑｣


｢猫かぶってる理由、知りたい？｣


『いや、いい。』


｢そ。｣








『あんた…｢涼介｣






え？







｢涼介って呼んで｣





『なんで』





｢俺の女だから｣



だから！なった覚えないってば！！！
幾ら反抗しても全く聞く耳を持たない



｢いいから呼べよ。｣






そうニヤッと笑った
こうなったらもう選択肢はない





『…りょ、涼介』


｢ふっ、よくできました。｣




そう言って頭にポンッと手をのせた





…







｢じゃ、また明日ねAちゃん｣












はぁ…
私はなんて事に巻き込まれたんだろう。














数時間前の私を恨みたい。




















そう思いながら、
重い足取りで帰路についた

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