俺だって >> 77 ページ43
．
柳田side
観客席から見た彼女は
なんか違う世界の人間に見えて。
柚希「改めて説明いる？」
『お願いします』
柚希「黒崎A20歳。横山大学女子バレ―部に所属。背番号は…」
『11番…でしたよね？』
あたり、と柚さんが笑う。
柚さんは中国大学バレーボール連盟の
スタッフも務めているようで
諸事情に詳しかった。
今まで何も知らなかった。
フルネームさえも知らなかったな、って。
改めて彼女のプレーを見ると
やっぱり全日本に通ずるものがあるなって思って。
『代表とか、選ばれてるんですか？』
怜「ユースとかは選ばれてるよね？」
柚希「中学で進化がやばかったからな〜」
あのインナー。中3のころからバシバシ打ってるよ。
柚希さんはそう続け、クロのプレーに視点を合わせると
ちょうど打つモーションに入っていた。
バシッと気持ち良い音が会場に響く。
薫｢因みに、2017年の全日本有力候補の1人｣
“ 全日本 ”
その言葉を聞く度、ゾクッとする。
彼女が同じ“ 全日本 ”。
きっと、この気持ちは変わらないだろうけど
彼女___黒崎Aがこのままバレーを
続けてくれたら十分だって思ったら
心の奥が軽くなった。
…強くなった姿を1番に見せたいのはまだ君だけどね。
休憩に入ったらしい。
まぁバレることはないだろう。
俺ら以外にも観客は居る。
『俺、もう十分です。ありがとうございました』
このまま帰ろう。
このまま。
このまま……俺“も”彼女を忘れて。
今度会うときには何も無かったように。
このまま…
ふと、コートの方に目をやる。
強い眼差しがぶつかる。
『…クロ……』
一瞬、躊躇った。
でも、彼女は俺のことを忘れている。
一方的な好意は時に虚しさに変わるのだ。
それなら。
『柚さん、車出してもらっていいですか』
ちょっと怖かったのかもしれない。
柚さんはゆっくりと頷いた。
.
柚希｢…会いたくないの｣
非常階段から、外に出て空港に向かう途中だった。
『…もういいんです』
柚希「最近の若造は素直じゃないな」
運転席の人が頭を軽く叩く。
柚希「来るよ、絶対。あの子のことだしね」
賭けてみる？とニヤッと笑われる。
『絶対的な自信がおありで、笑』
俺だって、来てほしいよ。
雨のせいで、前の車のテールランプが霞んで見えた。
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サラ - みんな幸せになあれ〜(｡-人-｡) (2017年2月17日 23時) (
レス) id: 0f524dcc52 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - サラさん» そうですね(； ･д･) (2017年2月17日 17時) (レス) id: 38f3ec8e87 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - なにやら不穏な空気ですねｶﾞｸﾌﾞﾙ(((・・;) (2017年2月17日 0時) (レス) id: 0f524dcc52 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - サラさん» 沢山のコメント有難うございます(/ω＼)爽やかなカップルとか言われるの嬉しすぎですヾ(*´∀｀*)ﾉ (2017年2月10日 20時) (レス) id: fc66a4688c (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 爽やかカップルですね！ かわいい〜( ＾ω＾) (2017年2月9日 21時) (レス) id: 0f524dcc52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：成 瀬 ▼ | 作者ホームページ：http://naru_se.0706
作成日時：2016年12月10日 7時
