強がり >> 66 ページ32
黒崎side
.
実はね、と望月さんが話し始める。
一体どんなあの人の話を。
手元でカシャカシャ液体を混ぜてるのは
祐希さんのバースデーケーキを作るため。
望月さんはどうやら料理下手なようで私が教えて作ってる、っていう。
『あっ、砂糖入れましたか』
望月「え、生クリームって砂糖とか入れるんだ」
…はい。
これっ！と、“salt”と書いた容器から匙を出すのが見えたから慌てて手を止めさす。
『砂糖は“sugar”ですよ!?』
…セーフ。
.
望月「170℃でー…」
一段落付いたところで、ソファに落ち着く。
“それでね!”望月さんがいつの間にか会話を進めていた。
なんて話してたんだっけ。
望月「柳田さんから電話掛かってきて！」
飲んでいたコーヒーを吹きそうになり、口に手を添える。
(ｺﾞｯｸﾝ)
よし飲めた。よし。
『……何て電話を?』
望月「黒崎、黒崎を知りませんか!って言ってきて」
胸の奥がﾁｸｯと痛む。
望月「黒崎ちゃんと初めて話した、3日後でさ。
こっちは事情は祐希から聞いてたし
“ココ”に居るとは言ってないんだけど。
≪ 望月さん、アナリスト目指してるから俺の知らない情報とか多分知ってますよね ≫
≪ 全てじゃなくていいんです。一部でも、ほんの少しでも知ってることがあれば教えてください ≫
≪ 横山大2年バレー部員の“黒崎”の居場所を≫ 」
『望月さん、なんて…？』
今にも細い糸が切れそう。
胸が痛い。
誰かが言った。
“ フった側がフラれた側でフラれた側がフった側 ” だと。
望月「 “ 生きてる ” それだけしか黒崎ちゃんの事は触れてないよ。」
望月「それで言うんだ、“ 生きてて良かった ”って今にも泣きそうな声で柳田さんが」
望月「毎日、交通事故とか事件に巻き込まれてないかチェックしてて。
もしもの“ 最悪の場合 ”を考えてたんだろうね。
“ 生きてて良かった ”“ 生きてて良かった ”って何回も繰り返しで言ってて」
望月「それだけ、離れていても大切なんだと思うよ。黒崎ちゃんが」
マサさんの笑った顔、拗ねた顔、意地悪な顔。
私の頭の中を回る回る。
今までの強がりが溶けたみたいに涙が零れていく。
後悔、してた。
スポンジの焼ける合図がする。
「焼けたね」といつもの顔で笑う望月さんは優しい人だ。
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サラ - みんな幸せになあれ〜(｡-人-｡) (2017年2月17日 23時) (
レス) id: 0f524dcc52 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - サラさん» そうですね(； ･д･) (2017年2月17日 17時) (レス) id: 38f3ec8e87 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - なにやら不穏な空気ですねｶﾞｸﾌﾞﾙ(((・・;) (2017年2月17日 0時) (レス) id: 0f524dcc52 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬▼(プロフ) - サラさん» 沢山のコメント有難うございます(/ω＼)爽やかなカップルとか言われるの嬉しすぎですヾ(*´∀｀*)ﾉ (2017年2月10日 20時) (レス) id: fc66a4688c (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 爽やかカップルですね！ かわいい〜( ＾ω＾) (2017年2月9日 21時) (レス) id: 0f524dcc52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：成 瀬 ▼ | 作者ホームページ：http://naru_se.0706
作成日時：2016年12月10日 7時
