お兄ちゃん、いかないで【鬼滅の刃】

5話 ページ5

善逸「なあ、兄貴！」

獪岳「うるせえ、兄貴ってよぶんじゃねえ。」


最近稽古を始めた善逸君。
お兄ちゃんは善逸君があんまり好きじゃないみたい。


善逸「なぁ〜Aちゃんんん獪岳のやつひどくない！？なんであんなに冷たいんだよおお」

A「あはは。でも、兄弟が増えたみたいで私うれしい！」

善逸「え！俺のこともお兄ちゃんって呼んで！」

A「善逸君が弟でしょ？」

善逸「お姉ちゃん！？うひょーーー！」


明るくて面白い善逸君が私は大好きだけど、お兄ちゃんは私と善逸君が話していると不機嫌になる。

小さい時みたいに殴られたり蹴られたらすることはなくなったけど、不機嫌なときは私にも冷たくなるからすごく嫌。

本当は、お兄ちゃんと1秒だって離れたくない。

でもお兄ちゃんはいつも夜遅くまで鍛錬をするから、ご飯のときくらいしか話せない。

だけどそんな努力家のお兄ちゃんもかっこよくて好き。


獪岳「おいA」

A「はい！お兄ちゃん！」

獪岳「買い物にいくぞ。」

A「え？うん！」


何か足りなくなったのかな？
わかんないけど、一緒にいられることがうれしくて、割烹着をぬいで紅を塗り直した。



獪岳「…ほら、お前帯が歪んでるぞ。」

A「あ、ありがとう。ごめんなさい。」

獪岳「…別に謝ることじゃねえだろ。ホラ、手。
お前すぐはぐれるからな。行くぞ。」

A「うん！」


私は頭が悪いから、お兄ちゃんはたまに私にイライラしてることがある。
買い物のときはいつも怒らせてしまう。

人混みに流されてお兄ちゃんとはぐれたり、お店の人にぼったくられそうになったり、知らない人にお兄ちゃんへの贈り物にいいものがあるって言われてついていって襲われそうになったり。

その度にお兄ちゃんは助けてくれるけど、やっぱり怒らせてしまう。

今日は怒らせないようにしないと。


獪岳「お前、善逸が好きなのか。」

A「…え？」

なんだか不機嫌な声


A「好きって、お兄ちゃんや、先生とおんなじくらい好きだよ！」


獪岳「はあ？俺とあいつは同じくらいなのかよ。」


A「あっ！ううん！お兄ちゃんは世界でいっちばん大好きだよ！」


獪岳「ふん、そうかよ。」


A「えへへ」


少し嬉しそうなお兄ちゃんを見ると自分も嬉しくなってお兄ちゃんにくっついて歩いた。

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