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16話 ページ16

A「お、おにいちゃん…?な、なんで…」


獪岳「あァ?」


A「なんで、鬼になったの?先生、お兄ちゃんが鬼なったって聞いて…たった今…」


獪岳「…クッ…ハッハハハハハ!
やっと死にやがるかあのジジイ!前から気に食わなかったんだよ。」


A「どうしてそんなこというの…?
だってお兄ちゃん、先生のこと…」


獪岳「うるっせえなあ!」


大声と髪を引っ張られた痛みで体がすくむ


獪岳「うるせえんだよ、お前の兄貴になりたくてなったわけじゃねえのに、お兄ちゃん、お兄ちゃんって馬鹿みたいによびやがって。
知ってんだろ。俺は鬼になったんだよ。」


A「……」


獪岳「あァ?きこえねーのか。飾りかぁこの耳は!」

耳をギチギチと引っ張られ、本当に取れそうになる。

耳の付け根から血が伝うのを感じる。


A「いたい…いたいよお、お兄ちゃん…ごめんなさい…」


獪岳「…わかればいいんだよ。」

ぱっと耳と髪から手をはなされ、私は畳に座り込む。


獪岳「はしたねえな、お前
着物が濡れて体に張り付いてやがる…」


着物の衿をめくられ、肩を露出させられる


A「お兄ちゃん…?何してるの?」


お兄ちゃんは私の頭の後ろを見て簪を引っこ抜く

髪がぱっと解けて肩にかかる。

濡れていて気持ちが悪い。


獪岳「こんなもん、まだつけてたのかよ」


それは私がお兄ちゃんにもらった桃の花の簪。
漆に金箔がお兄ちゃんみたいで素敵だったから、毎日つけていた。


A「あ、お兄ちゃん…それ…」


お兄ちゃんは私の目の前で簪をへし折った


A「…あ…なんで……どうして…?」


畳に落ちた簪を拾い上げて握りしめる。


私の宝物、どうしてお兄ちゃんは壊したりするの?
私のことが嫌い?
どうして?



獪岳「お前は本当に馬鹿だよな。」


ぐいっと肩を押され、倒れてしまった。

その上にお兄ちゃんがまたがり、私の首に手をかける。


A「う、く、くるし…よ…」


獪岳「はあ…お前なんか死ねばいい。
邪魔ばかりしやがって。お前さえいなけりゃ…」


A「…ごめ、なさい…」


獪岳「…俺は鬼だ。人間じゃない。畜生なんだよ…」


首をしめたまま、お兄ちゃんは私の口に接吻をする


くるしくてくるしくて、頭が真っ白になる。


本当に死んでしまう…


そう思った瞬間、首から手をはなし、口も離した。


A「けほっけほ…はあ、は…おにい、ちゃん…」

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pocky - 面白い!とっても素敵な作品ですね!! (2020年6月29日 22時) (レス) id: 67e63b3be0 (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - 読んでる時の感想→「え?え?なんで優しいお兄ちゃんの獪岳が私(夢主)殴ってるの!?作者さん嫌い…いや嘘だけどさ、本当は大好き!!でもどうしてこうなった?あ、最後の獪岳の言葉身に染みる」って感じでうるさかったです…素晴らしいですね(さっきの言葉どうした) (2020年3月23日 2時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE(プロフ) - 最後の獪岳の一言で私の涙腺が崩壊した。 (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3871cda528 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - めっちゃ面白いえ、本当に面白いんだけど!( ゚ロ゚) (2020年2月20日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが見たいです!!! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 35ab4fcffb (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2020年2月16日 2時

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