お兄ちゃん、ずっと一緒だよ。【鬼滅の刃】

無惨を倒して平和な世界が訪れたら ページ2

毎日ぼうっと生きているのは、もう嫌だと思った。

善逸君はいつも手紙をくれる。

柱稽古が厳しいだとか、禰豆子ちゃんが可愛いだとか、この前退治した鬼が怖かったとか。


その手紙を読んでいる時は笑顔になれるんだけど…

最近はご飯を作るのも、食べるのも面倒で。

一日の大半を桃園で過ごす。

先生が大事にしていた桃園だけは、大事にしたい。


ここにいると、先生と一緒に手入れしたことを思い出す。


善逸君は、無事だろうか。
近頃文が届かない。

何かあったのかな。



縁側で夕焼けを眺めていると、玄関の戸が開く音がした。

いったい誰だろう、もしかしてお兄ちゃん？


少し怯えながら玄関の方を見つめる。


善逸「ああ、いた…
ただいま、A。」


一瞬、時が止まったような気がした


だけど彼はボロボロで、腕や首に包帯が巻かれている。


気づけば私は、善逸君に飛びついていた


よろけずに私を受け止めてくれた善逸君。
最終選別から帰ってきた時は、尻餅をついたのに、今は少しもよろけずに抱きしめ返してくれている。

どれだけの鍛錬を積んだんだろう。
先生も、きっと誇りに思っているだろうな。


善逸「…おわったよ。兄貴も、無惨も倒した。
もう安心だ。ずっと一緒だよ。」


A「ありがとう、ありがとう善逸君。
…お疲れ様…」


涙を流しながらぐりぐりと善逸君に頬ずりをする。

善逸君はくすぐったいよ、と言いながら頭を撫でてくれた。


これからはずっと一緒。

1人じゃない。

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