メンヘラコンファインIV (ページ23)

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you side＿＿＿

校外学習の日が来てしまった

まぁ来てしまったなんて言い方はおかしいかもしれないけど

…バスの席も地獄なんだよなぁ

後ろから3列目の通路側

隣は真琴で、通路を挟んで黒田くんと船橋さんがいる

渉くんは別の人達と前ら辺に座っているらしい

船「黒田くん、写真撮ろうよ～」

船「ねぇ黒田くんってダンス得意なんだね？」

船「兄弟とかいるの？好きな食べ物なーに？」

真琴と話しているだけでも、勝手に聞こえてくる船橋さんと黒田くんの会話

いや、主に船橋さんの質問攻めだけど

それに飽きることなく優しく受け答えしてあげる黒田くん

なんだか、イライラする

船「黒田くんって呼ぶの堅苦しいから名前で呼んでもいーい？」

黒「え？」

……名前、

船「光輝くんだったよね？」

私が呼べなかった名前も、船橋さんは簡単に呼んでしまう

だけど

船「でもこれだと皆呼んでるよね？どうせなら変わったあだ名で呼びたいな～」

なんて言って黒田くんに笑いかける

……モヤモヤする

なんで、？

今から夢の国なんだからこんなこと考えるのは辞めよう

そう思って目を閉じたのだが

船「んー、光輝……光くん、あ！光ちゃんとか？」

光ちゃん、？

その呼び方が耳に入った時、空気が止まった気がした

「っ、」

喉がヒュっとなって、周りの音が聞こえなくなる

余りにもおかしな様子だったのか真琴が私の顔を覗いて心配してきてくれる

真「…A？顔色悪い、よ？」

真琴がそう言ってくれた瞬間、何故が頭が痛くなってきた

「いっ、」

額を手で抑えるが、痛みは増していく

真「席変わる？大丈夫？」

黒「っA、」

黒田くんが心配して手を伸ばしてくる

だけど、なんだか怖くて

パシっ

と、その手を払ってしまった

黒「A、」

船「…え、何今の、心配してあげてるのにひどーい」

そう、だよ

黒田くんはただ心配してくれただけなのに

私、また光ちゃんのこと思い出して…

「…ごめん」

黒「ぇ、」

「ごめん、ごめん……ごめんなさい」

謝らないと

そう考えただけで頭はそれでいっぱいになる

「ごめっ」

真「A、もう大丈夫だから、次止まった時前に移動してもらおう？」

また謝ろうとした時、真琴が背中に手を回して優しくそう言ってくれた

真「…黒田はそのクソ女の口でも縫い付けときなよ」