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私、起きて直ぐにご飯は無理。ガン無視して詰め込んだら戻しちゃう。かといって、お昼まで持つかと聞かれたらNOだ。だから、途中でなんか買っていこーって。こんな思考になるのは普通。
まず洗顔して、着替えて。髪も梳かす。身なりを整えていたら着信。相手は佐野だった。およ？ 既読スルーしたから……？ でもそんなことでかけてくるかな。授業始まってるでしょ？
疑問に思いながらも出る。二言三言交わした後、なぜかそこに居るはずのない人物の声が聞こえてきた。いや、なんでやねん。
『晴は関係あらへんで！ 寝とるところを、水とセーラーと一緒にトイレに封印しといたでな。俺がこの島に来とること含めて何も知らへんで！』
「威張ることじゃないんだよ」
『まぁ
『晴は人間やぞ。二年が限界や！
『お前のところの
論点はそこじゃねえ。なんだここ、ツッコミ不在か？ 面倒そうだから通話切っていい？ 晴明くんはこの際どうでもいい。この島に来た理由を早く言ってくれ。このままじゃトイレにも行けない。
マジで分からん。あのとき、佐野が真剣な顔で説得したじゃん。あれは何だったのってなる。え、聞いてなかった？
『そ……そうやない！』
「じゃあなんで？」
『俺は、晴の生徒をお前らしか知らへんでな。安心して晴を任せられるか、晴が先生としてちゃんとやっとるか。それを偵察しに来たっちゅーわけや。せやから頼む！ 今日一日、晴のフリするために協力してほしい！』
パン、と両手を合わせた音と。次には必死な声が聴こえてきた。本当なら妖怪に頼みごとなんてゴメンだろう。
だが、妖怪やお化けの類が苦手と聞いていた彼が島まで来るなんて。行動力を褒めるべきか、過保護を注意すべきか。晴明くんもいい大人で、子どもじゃないのに。…………なんで佐野たち、さっきから一言も発さないの？
『どう協力するか考えてたんだ。豆がみんなの前でドッペルって言っちゃったし、教室に来たときに「いつもの晴明じゃない感」は既に伝わっている。気のせいだった、は無理がある』
「なるほど……」
彼の言い分は理解出来た。だが、ドッペルゲンガーを通すのは……。妖力が流れていないと知られたら面倒だ。晴明くんのフリも妖怪のフリも危険。
「うーん……じゃあ、こういうのはどう？」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月10日 14時
