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176# 違和感の正体 ページ26





…………、…………消灯時間が過ぎて何時間が経ったかな。

なんだか今日は眠れない。枕が違うせい? いやいや、私クラスになるとどこだろうとどんな体勢でも寝れるから。

さっきトイレに行ってから、体感一時間ぐらいは経過したと思うけど。教室に戻ったときは国ちゃんが布団の外にいた。同じ用事だというので、懐中電灯は元の場所に戻さずに手渡した。


『夜の学校ってやっぱ不気味だわ、暗いから気をつけて』


彼女の背中を見送ってから再び自分の寝床で横になった。瞼を閉じて割とすぐに落ちたと思う。でも……今、やはり深い睡眠には至らない。どうしたもんかねぇ……まるでわからない。

寝たいのに眠れないはマジで未知の領域。目を閉じたまま考えていたらユサユサ、布団ごと体を揺らされた。名前も呼ばれた。……ん? 暗闇の向こうではモモを初めとした女の子たちが私をのぞきこんでいた。



「みんな、どうしたの?」



とりあえず体を起こした。寝床を囲んでいるのはモモの他に紅子にマリリン、五月の四人。見当たらない奴は寝てるのかと思ったが、布団はもぬけの殻だ。秋辺と国ちゃん、イズ、デイジー、蓮浄さんがいない。

……なるほど、把握。連れションにしても多すぎるな。彼女たちが不安になるのも無理はない。

モモが言うには、少し前に蓮浄さんがトイレから戻ってこない国ちゃんが気がかりで出ていったと。しかし彼女も戻ってこないときた。マ? あの後戻らなかったのか。



「とりあえず男子部屋に行ってみよ」

「う、うんっ」



女子が半分も消えている異常事態。もはや探しに行くため、誰かが出ていくのは得策じゃない。応援を要請しよう。男子がいるとなんとなく心強いのと、男子部屋ももしかしたら……なんて。


ここは参年弐組、男子部屋は肆組だ。入口を出たら左へ進み、突き当たりを左に曲がれば右手にあるのが目的地。

何本かあった懐中電灯は……無いな。そりゃ五人もトイレに行けば無くなるか。私が先頭でスマホの明かりをつけて廊下を進む。無事に着いたら入口を勢いよく開けた。更には電気もつける。



「んえ……、なんだよ……」

「なんだじゃなくて私! 起きて藤平、倉も。おーい」



ドアの近くで最初に異変を感じたバスケ部員たちの体を揺らした。私だけじゃない、紅子は泥田たち、モモは小田原くんや柳田のいる方だったり。みんなで呑気に寝ている野郎を起こす。

訳を説明して、男子の数も確認する。けれど……こっちも足りなかった。

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作者名:東雲れーた | 作成日時:2024年3月10日 14時

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