166# ひとつだけ心配（5巻27.8話） ページ16
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始業まであと20分。まだ余裕がある。私は登校したら、自分の教室ではなく職員室に直行した。
弐学年の教師のデスクが並ぶところへ一直線。談笑してる晴明くんたちに「ねえ」と声をかける。三人の視線が刺さった。晴明くんが朝の挨拶をしてきたけれど……ごめん、それはあとで。
「林間学校の責任者って誰ですか？ 化け学の試験あるし秦中先生？ そのことで話があります。今お時間いいですか」
「椎名さんって学園長以外にも敬語使えるんだね……」
「いつもの舐めた態度じゃ、聞いてもらえないかもしれないので」
「舐めてる自覚はあんのか」
まあ。思いはしたけど口には出さない、沈黙した。
私がこんなに大人しいのは滅多に見ないと、来客用のソファにとりあえず向かい合って座った。教室移動は仰々しいが、たとえ担任でも晴明くんにはまだ知られたくない。本当は秦中にだって言いたくは無い。
「鹿島に聞きました。弐組は試験がパスできなくて、夏休みの前半は補習になったって。あ、内容は口止めされてるからと教えてくれなかったので安心してください」
「ほっ…………それで？ 話ってなんだ」
「私、本当は林間学校は休もうかなって思ってたんです。だけど休んだら半分も潰れるんですよね？ 二年連続はごめんです、それで……その」
聞き耳を立てている晴明くん、見えてるから。彼を遮る意味でも口の右側に手を添えて声を潜める。ソファから腰を上げ、テーブルに一方の手をつく。
秦中に意図は伝わったらしい。体をこちらに傾け耳を貸してくれた。ごにょごにょ、ごにょにょ。話したら元通り互いにソファにまた座る。
「昨年のことに関しては阿波山先生が知ってます。私の話が信じられなければ、秦中先生の奥様にも訊いてもらって結構です」
「えっ？」
「荊棘ちゃんは、知っているので」
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■4巻24話〜5巻27話を飛ばした理由
椎名ちゃんたちが介入しても特に得るものはないと思うから
・24話「銭湯パニック！？」
シリアス的な理由で行かない
・25話「地獄の三者面談！」
椎名ちゃん宅の家庭訪問は都合がつかない
バスケ部または既に下校し、大田家へは行かない
・26話「修学旅行昔話」
朱鷺は副担専属だが『弐年の』というわけでは無いため不在
休日なので、椎名ちゃんも思い思いに過ごしている
・27話「マシュマロのダイエット企画！？」
佐野たちが生物部に遊びに行くのを放課後と仮定
＝バスケ部または教室で爆睡してて置いてかれた設定
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月10日 14時
